「北の山・じろう」日記

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ポクロウシクPokrovsk戦線にロシア軍が傾注する理由と今後の推移<ウクライナ紛争2024/08/22

2024-08-22 19:30:58 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

①ウクライナ、東部で苦戦 要衝周辺にロシア軍接近 今後は市街地での戦闘も
2024/8/21 19:20
https://www.sankei.com/article/20240821-E5UJVS7MSRN7ZLSNDB3HNEP5YM/
②ロシア、ウクライナ東部の重要集落制圧と主張 10月までにクルスク州奪還計画か
2024/8/20 23:14
https://www.sankei.com/article/20240820-CCRCKBSVEZOTBC42B2MAF52GKU/

こんな記事を感度の鈍いメデイアが報道するようでは、ポクロウシクPokrovsk戦線は、もう終わっているとみていいと思います。
ほぼ無理でも劣勢を認めないウクライナが苦戦を認めているのは、陥落の事前言い訳だと思います。
『ウクライナ軍は20日、東部ドネツク州の要衝ポクロウシクにロシア軍の部隊が接近し、戦闘が激化していると明らかにした。ゼレンスキー大統領は声明で、ポクロウシク方面の戦いは「困難な状況だ」と指摘。ロシア国防省は周辺にある同州ニューヨークの制圧を発表しており、ウクライナ軍は一帯で防戦を強いられている。』
住民避難まで大々的に報道されていますから、完ダメ状態だと思います。

元々劣勢が分かっていてトレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面からは部隊を引き抜き、ポクロウシクPokrovsk戦線は、放置してきました。
集められるリソースを全部、クルスク侵攻作戦に投入するためです。トレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面とポクロウシクPokrovsk戦線は、その犠牲にされました。早い段階から放棄を決定していたのであろうと思います。

『ウクライナ軍、東部戦線で軍増強 ロシア進撃に備え=ゼレンスキー氏』
2024年8月22日午前 3:46 GMT+917分前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/UU4KEEANXROBNCSROZ2OSNNPAA-2024-08-21/
『ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、同国東部ドネツク州ポクロフスクの戦線でのロシア軍の進撃に備え、軍部隊を増強していると述べた。』
今頃、しゃあしゃあと嘘を言うゼレンスキー。
東部戦線のウクライナ軍将兵は、聞いてどのような気持ちがするでしょうね❓
見殺しにされたトレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面とポクロウシクPokrovsk戦線の将兵は、「腸が煮えくり返る」思いをしていると思います。

だから、この方面のウクライナ軍はお義理程度の戦闘しかしないと思います。ポクロウシクPokrovsk戦線のウクライナ軍は住民避難が終われば、いい加減に戦ったふりをしてドネツク州の外(西)に撤退するのではないかと思います。

(2)ポクロウシクPokrovsk戦線の意味は、ドネツク州分断作戦です。
ウクライナ軍が、ザポリージャ戦線でやったロシア軍分断作戦の逆バージョンです。
ポクロウシクPokrovsk戦線を西に突き抜けてドネツク州を南北に分断するのが作戦目的です。
これも今戦況の帰趨が見えてきたから分かることです。
しかしプロの軍人は、普通に予測できるでしょう❓

だから一定の時期以降は、ロシア軍は一直線に西に進撃しています。相当な兵力を追加投入していたのではないかと思います。
ウクライナ側のソキルSokilの要塞が陥落した後は、ウクライナ軍の抵抗が急速に弱まりロシア軍の進撃が速くなりました。
プロフレスProhresをウクライナ軍が無抵抗で撤退した後は、ロシア軍の進撃速度を見るとウクライナ軍は広範囲でぼぼ戦闘せず退却したような気配があります。ウクライナ軍が退却した後にロシア軍が進撃していくような感じでした。
その結果、大きな貯水池の東西の広い範囲をロシア軍が制圧したのが、今の状況です。

2024.08.20
ロシア軍はポクロフスクまであと10km、住民避難の余裕は最大2週間
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-are-10km-away-from-pokrovsk-residents-have-up-to-two-weeks-to-evacuate/

略図を見てください。
アウデイーイウカの市街が陥落したのが2月の半ばです。
それからたった6か月でロシア軍は、40kmほどの距離があったポクロウシクPokrovskまで10km地点まで進撃しました。
その大半は、ここ1か月半くらいの出来事です。
丁度その間、ウクライナ軍はクルスク侵攻作戦の準備をしていました。
結果として、ポクロウシクPokrovsk戦線でロシア軍の大きな突破を許すことになりました。
政治目的のクルスク侵攻作戦のためにドネツク州の命運を握るポクロウシクPokrovsk戦線を犠牲にした影響は、今後大きくドネツク戦線に及びます。

(3)ポクロウシクPokrovsk戦線でロシア軍が、ドネツク州の州境まで突破するのは、ほぼ確定的と言っていいと思います。
これでロシア軍の中部ドネツクの分断が完成します。
それが、どのような影響があるか❓

西のドニプロ市からやってくる補給は、ポクロウシクPokrovskが受け入れ拠点でポクロウシクからドネツク全域に運ばれます。物流の大動脈のハブです。
ここを失えば、西のドニプロ市からの補給は大きく南と北に迂回路を探して輸送するしかありません。
これまでより時間も大幅にかかりますし、輸送量も相当減少すると思います。
ドネツク州全域の補給が苦しくなると言うことです。
補給が減れば戦闘も苦しくなります。

(4)ドネツク州中部を東西に分断してしまえば、南部と北部のウクライナ軍には、これまでの東方向のほかにもう一方向からロシア軍の攻撃が加わります。
一方向だったのが二方向から攻められれば、不利に決まっているでしょう❓
物流の不利と二方向攻めの不利とWパンチです。
こんな調子でウクライナ軍に「防衛しろ!」と言ったところで土台無理です。

(5)ポクロウシクPokrovsk戦線を制圧したロシア軍は、先に南部の方を攻めると思います。
既にマリンカMar'inkaの南では、ロシア軍は輸送ルートであるO-0532の遮断に成功しています。
やはり南部の物流拠点であるコスティアンティニフカKostyantynivkaの市街地で市街戦を戦っています。

つまり、今の段階で南部戦線は相当苦しくなっています。
ここに北方向からロシア軍が攻撃し始めると、劣勢を通り越して敗勢に近くなると思います。

今の見込みでは、中部ドネツクと南部ドネツクは来年の前半にはロシア軍が制圧すると思います。もっと早くなる可能性すらあります。

(6)つまり❓
このような状況を、ゼレンスキー&シルスキー・コンビは作り出してしまいました。
仮にクルスク州で少々のロシア領を獲得して、引きあいますか❓
引き合うと思っているなら、大バカ者です。
これがウクライナの大統領と軍最高司令官です。
ウクライナ軍将兵とウクライナ市民は、革命を起こすべきだと思います。
西側諸国もこんなバカ者を支援するのは、止めるべきでしょうね❓支援するだけムダだと思います。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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