「北の山・じろう」時事日記

内容は主に海外時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ウクライナ戦線の現状<2023年7月16日

2023-07-19 17:11:28 | ウクライナ紛争

ウクライナの反撃作戦が開始されてから1か月少々が経過しウクライナ戦線の状況も明らかになりつつあります。

ウクライナ戦線は、大きく分けると東部戦線と南部戦線です。

東部戦線ではロシア軍は、ウクライナ側の推測によると18万人の兵力を集中して攻勢をかけています。中でもバフムトには5万人の大兵力を集中して絶対死守の構えです。ウクライナ軍は、どちらかと言うと防御に徹しており守りながらロシア軍を消耗させる作戦だと思います。バフムトでやや攻勢に出ている以外に、他の地域では攻勢に出ている気配がありません。

東部戦線は、ほぼ互角と言っていいと思います。
リマンЛиман方面でロシア軍が若干、進出しているようです。バフムトは、ウクライナ軍やや優勢。

南部戦線は、ロシア軍が専守防衛。
ウクライナ軍が広い前線を形成して攻勢をかけています。

ところが?
『反攻開始2週間で兵器2割損失 ウクライナ軍、砲撃重視に転換―米紙』
2023年07月16日14時42分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023071600170&g=int

ザポリージャ戦線では最初は、力攻めを試みました。
やはり、ロシア軍がガッチリ防御を固めているところを攻めていくのですから損害が大きすぎて、力攻めは止めたようです。
最初の2週間くらいのうちにアメリカは、歩兵戦闘車や兵員輸送用の装甲車を2回緊急援助しました。合計で40両か、もっと多かったかもしれません。それに近い量を2週間で失った事になります。

正攻法の攻めは無理なので再び持久戦に戻り、ミサイルや砲撃による攻撃に切り替えたようです。

そうせざるを得ないほど、ザポリージャ戦線のロシア軍の防御網は分厚く強力だと言うことだと思います。去年から、せっせと防御網を構築していましたからロシア軍にはその成果が出ています。

ミサイル攻撃は、かなり成果が出ています。司令部の破壊は2回確認されています。その他にもかなり前線から遠い位置の大型の弾薬庫などの破壊にも成功しています。

去年、へルソン州の奪還作戦でやった戦術を採用しています。後方の司令部や弾薬庫、その他軍事施設を破壊して物資の供給を妨害して前線を弱らせる作戦です。これは分かっていても守りようがありません。そのかわり時間がかかります。

そのようなウクライナ軍の戦術変更により南部戦線のうちザポリージャ戦線方面は、膠着状態に陥っているようです。ウクライナ軍が前進を試みるのは、かなり後になりそうです。

一方で南部戦線には、もう一つの大きな前線があります。南ドネツク戦線です。
ベリカノボシルカVelyka Novosilkaから、マリウポリМаріупольとベルジャンシクБердянськ方面を目指すルートです。

こちらには、ザポリージャ戦線のような分厚い防御網は形成されていないようです。攻撃開始直後からウクライナ軍のゆるやかな前進が見られます。おそらくこの前線でウクライナ軍は、一番前進していると思われます。いつ、突破に成功するかです。進撃路が開ければ、予備で控えている強襲旅団をいくつか投入する作戦だと思います。

そうなればロシア軍の占領地は東部と南部に分断され、突破した強襲旅団は、ザポリージャ州のロシア軍を横から攻めることになります。この状況が生まれないと、はっきりとウクライナ軍優勢の状況は生まれないと思います。

それまでは持久戦を戦いながらロシア軍に損害を与えて弱らせる攻撃が続くと思います。
ミサイル攻撃も効果を上げていますが、砲撃でもロシア軍の塹壕や陣地にはかなりの損害が出ているようです。
その状況は、イワン・ポポフ元少将の記事に出ていました。

ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/



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