「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

日本のサッカーの進化を遅らせるものとは?<2023年8月

2023-08-21 21:07:18 | サッカー

戦術理解度の低さだと思います。
今、ヨーロッパのサッカーは劇的に戦術が変化しています。
日本でも好成績を残しているクラブの監督は、その戦術研究を懸命にしていると思います。ヨーロッパの一流のクラブとそん色のないサッカーを見せてくれる監督もいます。

その一方で、古い戦術を使っているように見えるクラブもあります。

育成のレベルに行くと、ほぼ20世紀のサッカーを教えているのではないかと疑わしい部分もあります。古いのから新しいのまでごっちゃにして整理整頓が出来ていないのでは、ないかと思います。

そして育成年代の育成の基本的方法が形成されていないようにも見えます。育成に優れた国を参考にする姿勢が足りないと思います。

フォーメーションによっては、やたらポジション別に名前が付いています。しかし、他のフォーメーションになると名前がなかったりします。
笑えたのが、ある説明を見ると・・
4-3-3のフォーメーションにはポジション別の名前が全くありませんでした。
4-2-3-1になると全部名前が付いていてポジションごとにやたら細かい説明がありました。

一番古色蒼然としているのは、まだトップ下というポジションがあり色々な説明がありました。
昔の日本のサッカー(2000年前後)では、トップ下が攻撃を組み立てるのが、一つの理解であったと思います。その代表ともいえる選手が、中田英寿であり中村俊輔です。
ところが、その時代ですら「攻撃を組み立てる=パスを出す」のは、6番の選手です。ボランチやアンカーと呼ばれます。
トップ下は、シャドーストライカーかトップ脇の選手です。ストライカーを前に置くか、やや下げるかだけの違いです。この位置の選手が攻撃を組み立てるのは、不可能です。パスを受けたら、即ゴールを狙うポジションだからです。
中田英寿と同じ年代にローマのフランチェスコ・トッティがいます。日本のマスコミは、中田とトッティがライバルであるかのように書いて雑誌を売っていました。
しかし、中田英寿とトッティでは10番の選手としては比較するのが失礼すぎるほど、トッティの方が優れています。トッテイがローマで積み重ねた得点は?
「セリエA歴代通算得点ランキング 歴代2位:250得点」
中田英寿「セリエA通算24得点」
つまり、中田英寿が10番の選手でないことの分かりやすい証明です。

それは日本のサッカー関係者が、トップ下の意味を間違えていることの証明でもあります。トップ下は、攻撃を組み立てるポジションではなく、得点を取らなければならないポジションです。

ここにパスしかできない選手を入れたら、その分攻撃力が落ちます。本来、アタッカーが3人いるのに2人になるからです。中田英寿に見られる欠点は、パスを出して終わりにしてしまう点です。10番の選手はパスを出した後、シュートを狙います。ほとんど、フォワードと同じです。パスを出して終わりにする時点で、フォワードが一人いなくなります。ダメの分かりやすい説明です。

では、中田英寿タイプの選手はどこにいるべきか?
6番です。攻撃を組み立てるのは、6番の選手であるチームが多いです。6番の選手がパスを出すことにより攻撃が始まります。6番は、ボランチです。日本では、遠藤 保仁や中村憲剛が有名ですね。今回、リバプールに移籍した遠藤 航もこのポジションです。

女子日本代表では、長谷川唯が右のボランチで活躍しました。

バルセロナの黄金時代のセルヒオ・ブスケツもこのポジションです。グアルディオラ監督のお気に入りの選手です。守備はそれほど強くありませんでしたが、魔法のようなパスを操る名人でした。その恩恵を一番受けたのは、メッシだと思います。

これは、随分前から欧州サッカーでは一般的なことです。それがきちんと日本のサッカー関係者が理解しているのかどうか?

少なくとも今回のWカップ女子代表においては、正しくボランチのポジションに多分パスの一番うまい長谷川唯を起用していました。攻撃は、3トップでしたね?
3バックなら、それが正しいフォーメーションです。

トルシェ・ジャパンの3-4-1-2はインチキです。
3-4-3が、3バックの基本です。

日本のサッカー関係者の後進性を感じるのは、3バックは5バックになるからダメだ・と言うのがあります。しかし、3バックは最初から両サイドにスペースがあります。守るときは、そのスペースを中盤のサイドの選手が下がってカバーします。
3-4-3は守備の時は、5-4-1になります。
攻撃の時は、3-2ー5的になります。攻撃の時アタッカーを5人に増やしやすいのが3バックのメリットです。

今のフォーメーションは、全部可変性システムです。

4-3-3
守備の時、守りようがないでしょう?
だから3トップの両側の選手が1列下がって、4-5-1になります。

5バックが悪いという理由が分かりません。
つまり、日本サッカーの欠点がそこにあります。
「ポジションは、流動的なものだ」
そのような基本的なことを忘れてポジションを固定的に考えているから、5バックを否定するような発言になるのだろうと思います。
今のサッカーは、いかにポジションを変更して相手を騙すかの世界です。ポジション変更をしやすいフォーメーションが一番理にかなっています。
だから?
3-4-3
4-3-3
守備には、明らか不利なフォーメーションが成立します。この基本形から、どうにでも変化するのが今のサッカーです。逆に言うと、それが出来ないと勝てません。

少し前の代表チームの好きな言葉
「連動して崩して決める」
そんなの代表チームには無理です。
だから、パスばかり回ってさっぱり決まりません。
カタール大会は、違いましたね?
ボールを奪ったら即、シュートする。
それが正しいからゴールが決まっていました。



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