ロシア、ウクライナ東部マリインカ制圧と発表 ウクライナは否定
2023年12月26日
https://www.bbc.com/japanese/67821196
マリンカMar'inkaは、1か月くらい前にほとんどの地域をロシア軍が制圧しており、ロシア国内向けの年末の戦果発表と言えます。
マリンカの写真
https://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/8C4A/production/_132141953_4423147a-2cd4-4815-9b89-a387cd11d10c.jpg
これは、今年5月の写真で今は建物は基礎部分くらいしか残っていないと思います。それでもウクライナ軍が抵抗できたのは地下壕と地下通路が建設されて、そこに立てこもって抵抗を続けてきました。しかし難攻不落の地下要塞と言えども補給を絶たれると放棄するしかありません。
現在の東部戦線の戦況は・・・(全部ドネツク州)
バフムト
バフムト北の郊外をロシア軍が西に進撃中
チャシブ・ヤールChasiv Yarから東2kmまで肉薄
アウディイウカАвдіївка
市街南側で市街戦が始まる
市街西側郊外でロシア軍が包囲作戦を継続中
マリンカMar'inka
市街地全域をロシア軍が制圧、更に西に占領地を拡大中
ノボミハイリフカNovomykolaivka
(マリンカの南のウクライナ軍の拠点)
北・東・南の三方向からロシア軍が攻撃中
他でもクピャンスクКуп'янськ、クレミンナKreminnaなどでロシア軍の攻勢が伝えられています。
BBCの記事の末尾
『ウクライナの反転攻勢は冬の始まりとともに停止し、ロシア軍がウクライナを圧倒するのではないかと懸念されている。』
このような状況が分かっていながら西側の支援は現在、中断状態にあります。来年度予算は審議停止状態にあり現在の支援では、砲弾もドローンも絶対的に不足しています。
ウクライナ軍は、南部のザポリージャ戦線やドニプロ川東岸の戦場で貴重な砲弾やドローンを無駄に消費しています。そのため東部戦線の各戦場での砲弾やドローン不足に拍車がかかっています。
東部戦線に関しては、ウクライナ軍が戦線を縮小して兵力と武器を集中しないとどうにもならない現状があります。南部戦線全域での攻撃的な戦闘を止めて、余剰が出る兵力と武器を東部戦線に回すしかありません。先月からそんな状況が生まれています。
ウクライナ軍が今の戦線を維持しようとする限り、冬のドネツク州のウクライナ軍の戦いは厳しいものになると思います。
特にバフムトでは、年明けチャシブ・ヤールChasiv Yarをめぐる激戦は必至の状況です。本来ならここの陣地を強化して武器を備蓄して激戦に備えなくてはなりません。そうするためには、ウクライナ軍は南部戦線の戦闘を止める必要があります。
そのような決断を、大統領府が出来るかどうか❓
出来なければ、ドネツク州はロシア軍にかなり削られる事になると思います。
2022年9月ごろのロシア軍と同じ状態にあります。
兵士不足・兵器不足のまま広い戦線を維持しようとした結果、ハルキウ州でもヘルソン州西岸でもロシア軍は総崩れとなり撤退せざるを得ませんでした。塹壕戦になっていますから、その時ほど急激にはならないと思いますが、徐々にロシア軍が進撃することは防げないと思います。
言うなれば❓
ウクライナ軍は、東部戦線では「ジリ貧状態」にあると言えます。それを跳ね返す力はウクライナ軍には無く、戦線を縮小して密にして防御する事だけしか出来ません。
※散々、戦争を煽り立ててきた西側は今は、見て見ぬふり状態です。見殺しと言うのではなく、停戦に向けて考えろと言うことを示唆しているように見えます。ウクライナ領が少々余分に削られようと西側は困りません。それをウクライナ大統領府が理解しないと、停戦の時の状況が悪くなるだけです。ゼレンスキー氏は、現状を理解するべきだと思います。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
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