林野庁「令和4年度耐久性のある森林作業道及び集材路等の作設手法の確立に向けた調査事業」検討委員を拝命しこの1年検討会に参加してきました。
近いうちに国の「森林作業道作設指針」「森林作業道ガイドライン」が見直しされることになります。
これまでの議論を通じて大阪の大橋慶三郎先生の道づくり哲学の素晴らしさを再確認した次第です。
今回の指針やガイドラインの見直しには、荒い道づくりが行われたことにより山を壊しかねないということが懸念されるためである。その原因は①道づくりの知識不足(無知)②作設技術が未熟という形でその原因は分けられる。
一番懸念しているのは、今林業が「貧すれば鈍する」状態に陥ってしまっているのではないかということである。
つまり、目先の稼ぐことに目を奪われ「今だけ、金だけ、自分だけ」になってしまっているのではないかということである。だとしたら指針やガイドラインを厳しくすれば解決するという問題ではないのかもしれない。
また、林野庁森林総合研修所による「森林作業道作設指導者・監督者研修」の講師を長く務めさせて頂いているが、全国から集まる都道府県職員の方々との話の中で指導力の都道府県格差が拡大しているのではないかとの懸念も生まれている。
本来、指導者・監督者は現場で森林作業道作設を行う林業事業体の相談役であり指導的立場であるが、実際には現場オペレータの方が知識や技術が上である場合に果たして指針やガイドラインに書かれたとおりしっかりと指摘指導が出来るのか心配である。
(M.N)
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