この写真をご覧になり、何だかわかった人は山村の抱えている問題をよくご理解されている方でしょう。ほとんどの人はどこの写真だかわからないのではないでしょうか。
実は・・・シカに食べつくされた山の斜面なんです。
数年前に撮影したものですが、このような山が奥多摩から丹波山村にかけてどんどん増えています。
シカに食べられないようにシカよけガードや網を張ったり努力はしていますが、そのコスト増でやりきれないことや被害拡大に山村は今危機的な状況を迎えています。
どうして、このような山ができてしまうのか、、、様々な方々で研究、対策について議論されています。
この場所は、人工林を伐採しその後放置された山です。本来であれば山主が伐採し得た利益で次の山づくりに投資し、植林され人工林山が循環されていくはずでしたが、材価低迷で次の投資ができず放置された山です。
ほとんどはシカによる食害です。伐採跡地はやわらかい草が生え、シカの餌場となってしまいました。集まってきたシカが全ての草を食べつくしこうした砂漠が山の中に出現しはじめているのです。大きく育ったスギ、ヒノキはナラなどの広葉樹のように萌芽更新ができません。したがって、人が伐採後も面倒を見ていかなければならないのです。
整備にかかる費用や方策、地主や自治体の役割、野生動物との共存などいろいろと決めていかなければならない問題が多々あり簡単には解決策は見つけることができないかもしれません。
しかし、多くの方々と一緒にこの問題について気づき、考え、理解し、一番よい方法をみつけていきたいと願っています。山側だけではとても解決できないところまできているのだけは事実です。どうかご一緒に考えてください。
※シカの角の話に続いて今度は山のお話でした。