太宰府木うそ保存会

木うその技術伝承と原木育成を目的とした会です。木うその歴史や会の活動内容などを紹介します。

木うそ絵付体験のご案内 ~4月11日に開催します~

2010年04月06日 | 絵付体験
毎月恒例の木うそ絵付体験を、今週末の4月11日の第2日曜日に開催いたします。


絵付体験の7cmサイズの木うそ


絵付体験も出来ますが、木うその羽の巻き上げも当日見学することもできます。
事前申し込み不要で体験できる良い機会です。
どなたでもお気軽にお越しくださいませ。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『太宰府天満宮故実』 ~木鷽の歴史シリーズ1~

2010年04月05日 | 木鷽の歴史シリーズ
「太宰府の木鷽」発表を期に、木鷽の歴史シリーズを初めていきたいと思います。

まずは太宰府天満宮で行われる鷽替神事はいつ頃から行われていたのでしょうか。

文献資料で鷽替神事が登場するのは、今から325年前の江戸時代前期のこと。
(将軍は犬公方で有名な徳川綱吉の時代)

貞享2(1685)年に貝原益軒が『太宰府天満宮故実』の中で、
「…正月七日の夜はまづ酉刻ばかりに、うそがへと云事あり。さて其次に法事を
なして後儺あり。鬼とりと云。…」
(1月7日の夜はまず午後5~7時頃に、鷽替という神事がある。さてその次に
法事を行い、鬼すべがある。)と記しています。

同様の記述はその後、江戸時代を通して『筑前国続風土記』や『太宰府略記』、
『百人一首一夕話』に書かれていきました。
このあたりの文献については次のシリーズをお楽しみに(^^)!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論文「太宰府の木鷽」3

2010年04月03日 | 記事
 論文冒頭では、木うその歴史的な文脈は江戸前期の貞享2年(1685)貝原益軒著の『太宰府天満宮故実』を紹介するところから始まり、現代への一大画期について昭和33年(1958)のブリュッセル万博でのきうその銅賞受賞を取り上げ、後段の現代製作者の血脈の解説へとつなげています。
 太宰府での木うその製作は、伝統的に天満宮周辺の住人達の中で培われて来たもので、戦後では占部、高田、岡藤の三家が主体となって作品を供給していたとされていたが、今回の取材で初めてその実態が明らかにされています。この三家の供給体制が作者の老齢化などにより弱体化しつつあった頃に、天満宮の木村當馬氏がそれを引き次ぐように製作を始め、彼の教えを受けた市内の有志によって、現在、精力的に活動している木うそ保存会が結成された流れが明快に説明されています。
 木うその形態も時代とともに変容していった様が、絵画資料やコレクションの写真を年代順に並べた編年的な図版が掲載されており、今の形に至る前の木うその姿がよく理解されます。
 また、製作技法も形の変化に伴って変わってきたとおもわれますが、木うそ保存会での技法を写真をつけて解説し、御三家での製作の様子も紹介されています。
 まさに本書ははじめての木うその概説書として、今後ますます利用されていくものとおもわれます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論文「太宰府の木鷽」2

2010年04月02日 | 記事
 この論文は「はじめに」に記されているように、平成21年度の太宰府市文化ふれあい館にておこなわれた市民遺産展で、著者がおこなった木鷽に関する展示のための基礎調査が母体となっているようです。
 構成される資料はおおまかに文献・絵画史料と関係者からの聞き書き、残された作品のコレクション資料の3つからなっています。
 今までの木うそに関する概説は太宰府天満宮が発行する社報「飛梅」の複数の記事があるくらいで、郷土玩具研究においても専門誌の数ページを割く程度のありさまで、本格的な先行研究がない状況でした。ここでは鷽替え神事そのものの複数伝えられる由緒の整理から手をつけ、散在する史料群を古い順にならべて検討をおこなうところから本論に入ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論文「太宰府の木鷽」

2010年04月01日 | 記事
書名;『年報 太宰府学』第四号
論文;「太宰府の木鷽」 (A Sutudy on Carverd Wooden Bullfinches in Dazaifu)
著者;柳智子
発行;太宰府市市史資料室
発行日;2010年3月30日
目次;
1 はじめに
2 太宰府天満宮鷽替神事と鷽
3 木鷽に関する資料紹介
   文献・絵画資料
   新出資料・・・張子鷽について
   古写真
   収集品
4 木鷽に関する聞き取り調査
   戦前、戦後頃の鷽替神事の様子について
   占部家について
   占部家製作の木鷽の特徴
   木鷽の製作工程
   (図1 占部勇氏製作の木鷽)
   御田家について
   高田家について
   高田家の木鷽の特徴
   ホウノキについて
   (図2 高田保氏製作の木鷽)
   高田家の木鷽製作工程
   岡藤家について
   岡藤家の木鷽の特徴
   (図3 岡藤一彦氏製作の木鷽)
   岡藤家の木鷽製作工程
   木村當馬氏について
   木鷽の製作工程
   ホウノキについて
   技術の伝承について
5 江戸時代から現代までの木鷽の形態変化について
   江戸時代から明治初期の木鷽
   (図4 江戸時代から明治期の木鷽変遷図)
   (図5 明治後期から昭和初期の木鷽変遷図)
   (図6 昭和初期から昭和50年の木鷽変遷図 九州国立博物館蔵、同写真提供)
   明治時代後半から大正、昭和初期の木鷽
   昭和初期から昭和三十年代前半の木鷽
   昭和三十年代以降の木鷽
   現在の木鷽
   (表1 太宰府の木鷽観察表)
   (図7 木鷽製作工程 太宰府木うそ保存会写真提供)
6 まとめ
 

written by 広報係鳥
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする