太宰府木うそ保存会

木うその技術伝承と原木育成を目的とした会です。木うその歴史や会の活動内容などを紹介します。

福岡市博物館 藤城清治展に太宰府の木うそ登場!

2014年04月30日 | 太宰府木うそ保存会
現在、絶賛開催中の「藤城清治 光と影の世界展」に太宰府の木うそが登場しています!

太宰府天満宮の飛梅がほころび始めた1月31日…。
ストーブが焚かれた暖かい工房では、木うそを作り始めて、15年目を迎えた木うそ職人
が鑿一本で黙々と木うその羽を削りだしていました。
太宰府天満宮参道の小鳥居小路に面したその工房に、ふらっとひげ面のおじいさんがやっ
てきました。

おじいさんはいろんな木うそや民芸品が並ぶ棚を一生懸命眺め、そのなかでひと際大きく
まだ色の塗られていない木うそに目をとめました。

その大きな木うそは、原木のクセが強く、熟練の職人でも最後まで羽をあげることができ
なかったのですが、捨てるには惜しく棚に飾っていたものでした。

おじいさんはどうしてもその木うそが欲しくなりました。

手放すことを渋る職人でしたが、おじいさんの熱心さに負け、とうとうその木うそを譲る
ことにしました。
「これはまだ色の塗ってないですけん。自分なりに塗ってみらんですか」

それから数カ月後、なにげなくテレビを見ていた職人は驚きました!

そこにはふらっと訪ねてきたあのおじいさんが映っていたのです。
日本の影絵作家・藤城清治、その人でした・・・。

大きな木うそは現在、福岡市博物館特別展示室で展示されています。
もちろん、藤城清治さんが絵付した木うそです。

その他の作品の中にも、太宰府の木うそがあと三羽、登場していますので、展示会場で探
してみましょう!
太宰府の木うそが登場する作品は、急遽作られたものなのか、図録や絵葉書で見ることが
できません。

会期は、5月11日(日)までとなっていますので、ぜひ観覧しにいかれてくださいね~。



福岡市博物館HP→http://museum.city.fukuoka.jp/exhibition/tokubetsu.html
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太宰府観光列車「旅人」(たびと)に太宰府の木うそも乗車中!

2014年04月29日 | 太宰府木うそ保存会

今年4月から開通した太宰府観光列車「旅人」(たびと)
西鉄福岡駅(天神)~太宰府駅までの直通が一本と、二日市駅~太宰府駅をピストン運行しています。




明るいピンク色の麻の花模様をベースに、太宰府名物や名所をデザインに取り込んだボディも印象的
ですが。






列車内には太宰府名物を展示したコーナーもあり、もちろん太宰府の木うそも展示されています。
ご乗車の際はぜひご覧くださいませ。


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郷土玩具展を観に行ってきました!

2014年04月28日 | 太宰府木うそ保存会

八女市伝建地区にあるうなぎの寝床。
町屋を活かした伝統民芸品や工芸品のショップで、4月27日(日)まで郷土玩具展
を観に行ってきました。


部屋の中央に、木うそを始め、瀬高のきじ車や津屋崎土人形、英彦山ガラガラなどの
福岡県知事指定特産民芸品もずらり…。


太宰府の木うそもずらっと並んでいました。
郷土玩具展は終了しましたが、様々な民芸品を観て、実際に手にとれるうなぎの寝床
に、ぜひ遊びに行かれてはいかがでしょうか。


ちょっと足を延ばして、黒木町の大藤まつりへ。
花はまだ7~8分咲きですが、藤のむせるほどの甘~い香りいっぱいでした。
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郷土人形・玩具展のご案内

2014年04月22日 | 太宰府木うそ保存会

郷土人形・玩具展が今週末の4月27日まで開催中です。
(日時)4月17日(木)~4月27日(日)
(場所)うなぎの寝床
    福岡県八女市本町267
(入場)無料
(駐車場)あり


太宰府の木うそも並んでいますので、ぜひ行ってみてくださいね~
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太宰府木うそ保存会発足15周年記念シンポジウム その8

2014年04月21日 | 太宰府木うそ保存会
山村
 今回のシンポジウムを企画され、「さいふうつし」「木うそのチカラ」をテーマと考えた
柳さんは、創り継ぐということについてどのように考えておられるでしょうか。



 今回は創り継ぐ~伝統文化の継承と課題~というテーマを考え、このシンポジウムを企画
させていただきました。発表でもお話いたしましたが、太宰府木うそ保存会は福岡県知事指
定特産民芸品に認定されていますが、認定制度ができた当初は36品目あった伝統民芸品や
工芸品もほんの2年前に30品目まで減少している現実があります。
 そういう意識を持つことは大事なことで。また保存会は20代~80代までの年代差のあ
る会員が楽しく一緒になって活動をする。そのことが結果的に伝統文化を繋ぐことにつなが
っているのだと思っています。

青柳
 今日はありがとうございました。これからもつないでいけるように、頑張ります。
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太宰府市環境美化センターでの下草刈り作業

2014年04月17日 | 太宰府市内での原木育成

木うその原木コシアブラが芽吹きの時期を迎えました。
今週末は環境美化センターで下草刈り作業をいたします。

(日時)4月20日(日)10:00~12:00
(場所)太宰府市環境美化センター斜面
(持参するもの)下草刈り道具、軍手など
※雨天の場合は中止となります。
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太宰府木うそ保存会発足15周年記念シンポジウム その7

2014年04月16日 | 太宰府木うそ保存会
山村
 先ほど柳さんから震災と鷽替えのお話がでましたが、石垣さんは2004年の新潟県中越
地震の際には新潟県立歴史博物館の学芸員として、2011年の東日本大震災の際には文化
庁技官として、文化財の救出のみならず地域の再生に関わる文化財の有用性について肌で体
験され、情報発信されておられます。
 なかなか今まで触れられることが少なかった「文化財」と「まち育て」についてどのよう
にお感じになっておられますでしょうか。


石垣 
 新潟の時は帰るところも復興していくものが見えていたのですが。東日本大震災では、津
波や原発などで帰る場所がない。もどる場所が分からないという状況。それまでの地域社会
が構築できない時に精神的な繋がりというものが、家という単位であれば、記念写真やアル
バム、位牌などです。それが村という単位であれば、それは神社であり、神事なのです。
 その中で例えば、行政がこの祭りを復興させなさいとか言って復活させてもそれは地域の
人々が自分たちで選びとってきたものでなければ、一過性のもので終わってしまうと思うの
です。あくまで地域の人が選びとってくるもので、地域の人が好きだから、やりたいからや
る。地域の人たちが主体的に選びとるというのが大きな要素になっていて。先ほどもウソ替
えでもありましたが、神事や祭りも神社やお寺主導ではなく、里人主導で行われていたとい
うのがよく分かりました。うそかえや鬼すべも地域に根ざした祭りです。
 地域主導で選びとって復興した祭りはおそらく次につながるだとうし、繋いだ人もつない
でいくだろう。それが地域の復興や地域づくり、地域の活性化につながっていくものだと思
います。
 それから先ほど大野原きじ車保存会さんと太宰府木うそ保存会さんが交流会をされている
ということでしたが、自分たちのものを知るためには他のものを見る。郷土玩具や縁起物と
いうジャンルを知り、交流していくことで切磋琢磨してよりよい物が生まれ、次に繋がって
いくと思います。太宰府木うそ保存会さんだけでは難しいことも、太宰府市と協力した活動
の仕方でよい関係で活動をされていると思います。
 こういう活動をぜひ続けていってほしいと思います。

つづく…
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太宰府木うそ保存会発足15周年記念シンポジウム その6

2014年04月15日 | 太宰府木うそ保存会

青柳健夫(太宰府木うそ保存会会長)
 
わたしたちも社会貢献しているとか、ボランティアやってるとは思っていません。
今続けていけば、後の人も続けていってくれるんじゃないかなっと思っています。
それくらいの気持ちでやってます。これからもがんばります。

つづく…
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太宰府木うそ保存会発足15周年記念シンポジウム その5

2014年04月14日 | 太宰府木うそ保存会
山村
 木うそは祭具としての面だけではなく、太宰府を代表する民芸品としての側面も持っています。
 今日は九州の郷土玩具としては木うそとともに全国にファンがいらっしゃる大分県玖珠町北山田の大野原きじ車保存会の会長でいらっしゃる高倉三蔵様においでいただいております。
 私自身も木うそ保存会のみなさんとここ数年ご一緒させていただいて、その生産に従事されているみなさんの環境が、ほぼボランティアの状態であることを知りました。
 大野原も名人がお亡くなりになった後を受けて地元有志でそのご遺志を引き継がれたと伺っております。会の歴史と現状をお教えいただけませんでしょうか?


高倉 
 私たちはボランティアだとは思ってましぇん。好きだからやっちょる(笑)。
 会員は10名ほどおりますが、毎月第3日曜日に集まって、きじ車を作って、そのあとに鍋をしたり、酒をのんだりしてそれが楽しくてやっちょります。
 木うそさんとはさきほど話をしてましたが、稼ぎが多少はあると話を聞きましたが、きじ車は売れませんもんね~。
 一時期どうにか売れるようにならんかいなと思って、別府大学の先生のところに相談にいきました。それで売れるようにするなら、削って飾りをつけるとか、色を塗るとかしたらどうでしょうかと聞いたら、「そんなことしたらいかん。」と言われました。宇佐神宮のところに木で作ったサルがあったんですが、それに色を塗ったりしてから売れなくなって、結局なくなりました。
 伝統民芸品はもうかるとか考えたらいかんって。この形が好きで作っちょんのじゃけん、それでよかやないかと。玖珠には大きな10mになるきじ車も作ってますので、ぜひ遊びにきてください(拍手)。
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太宰府木うそ保存会発足15周年記念シンポジウム その4

2014年04月10日 | 木鷽の歴史シリーズ
 1つは天神信仰を下敷きとして、全国に広がった鷽替神事や木うそ文化のセンターとして、太宰府が機能していて全国に伝播したということが分かりました。
 1つは、交換するという行為が神事の本質的な部分で、その物を手もとに長くおいておかない。替えるという行為そのものが、災いの除き、幸運を得るという願いを伝えるために必要なこと。鷽替神事が全国的に行われている換物神事の原点である可能性がある。
 1つは、鷽替と鬼すべとの関係について。これまで吉村貞司先生が書いた「ウソ替え神事とオニフスベ」の論文がありましたが、今回の森先生の発表ではっきりと関係があるというのが分かりました。修正会には鬼が出るタイプと裸のタイプがありますが。鬼がでるタイプは西に多いというのが分かっています。裸のタイプは岩手のソミンマツリ(蘇民祭)が有名ですよね。太宰府の事例を見ますと、鬼すべは鬼がでる行事ですが、仏教行事としての修正会として捉えたほうが鷽替との関係が理解しやすい。1月7日は結願の日に行われているということも分かり、今日は森先生の話を聞いて、感動しました。
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