1 女子薬科大学生殺人事件
snsで知り合った男との金銭トラブルとは何か。なぜ、十分な現金を持たずに、初めて会うという遠方の男のところに出かけたのか。男の家の近所の人は、「目隠しをして連れてこられた」「男とトラブルがある」などと、かなり詳しい事情を聴かされながら、なぜ女子学生の安全に配慮しなかったのか。分からないことだらけである。こういう大事な内容が分からないままに報道するメディアにも問題がある。
2 小4女児殺害事件
父親は、なぜ執拗に、しかも長期にわたって、わが娘に暴力を振るい、殺害に至ったのか。児童相談所にも問題があることが分かってきたが、何より、この男の性格、行為の理由が全く分からない。こういう、弱い者に向けて暴力を振るう人間は、えてして「外面」はよいもので、今回も職場等での評判はよかったとのこと。児童相談所や学校は、相当なめられるような対応をしたのであろう。男の行為の意味は、全く分からない。
3 厚労省の統計不正問題、第三者委員会という逃げ道
第三者委員会の報告では、組織的な隠蔽の事実はないという結論だったが、詳しい事情の報告内容は、その結論に矛盾している。多くの当事者(職員)は、かなり以前より、違法という事情を知りながら問題視せずに統計処理を行っていたとのことで、これこそ「組織的」不正行為でなくて何であろう。それにしても、厚労省は、なぜこんなに不祥事が多いのか。
また、このところ、第三者委員会なるものが流行しているが、これは、すなわち、自己解決能力の欠如を意味しているのであり、褒められたことではない。しかも、第三者といいつつ、当事者が入り込んで、真実を隠蔽する事例もあり、日本人の自浄能力のレベルは、危機的な状況にあるのではないかと思わせる事例が続いている。
4 高野連の無粋な判断
四国の高校野球部員が、同校の女子ダンス部の公開公演に出演したことを問題視している。
日本学生野球憲章では「野球部または部員を政治的あるいは商業的に利用しない」と明記されているという。入場料500円の公演が、商業的利用に該当するのか、狭量な判断である。甲子園で必死に応援している、いわばチームと一体の団体の発表会に、シーズンオフに、返礼の参加をするのは、常識的ではないのか。ちなみに、甲子園での高校野球大会は、「無料」であるにちがいないと思い、ネットで調べてみると、意外にも、かなりの額の入場料をとっているではないか。これは「商業的利用」ではないのか。二枚舌か。
5 老人ホームでの殺人、虐待
幼児、児童への虐待の数々とともに老人ホームにおける殺人、虐待もしばしば発生する。多くが、若い職員によるものであることが理解を超える。なぜ老人を死に追いこむような行為に走る劣悪な人間が、老人の介護施設で働いているのであろうか。低賃金、過酷な職場に有能な人材は集まらないというのなら、待遇の改善が必要である。幼児、老人という弱者に対する配慮の希薄な国であり、この国に生まれてよかったとか、この国で一生を過ごせることは幸せだとは感じにくい国である。生まれて好かった、一生を過ごせてよかったという国にするような公費の使い方をすべきである。無能な政治家諸氏も、いずれ悲哀を味わうことになるであろう。人材不足のために外国人労働者を、この過酷な労働の現場に招いて、上々の成果が挙がるというのなら、日本人は、自国民の老後さえ担うことのできない、出来損ないの民族であることは証明することになろう。老人の多くは、若いときには重要な労働力、納税者として、国を支えてきた人達であり、幼児、児童は、これから国を支える人材になる人々である。税金は、国や自治体に提供してはいても、いわば、「預けた」ものである。その使途については、議員や国民、市民が監視していく必要がある。税率の上がる消費税の行方も、だんだん曖昧になってきている。(この文章を書く直前に、贅沢三昧の女性経営者による老人ホーム経営破綻のニュースが流れ、その内容に愕然とする。)