それ、問題です!

引退した大学教員(広島・森田信義)のつぶやきの記録

公的輸送機関存続のために

2018-04-01 22:05:14 | 教育

 (隣の団地内の枝垂れ桜)

 昨日で、広島県三次市と島根県江津市を結ぶ「JR三江線」が廃止になった。廃止を目の前にして、連日、満員の乗客で賑わったらしい。テレビやネットの画像で確認しても相当な混みようである。このような状態が続いていれば、廃線の憂き目をみることもなかったろうにと複雑な心境である。 
 わが団地には巡回(循環)バスが走っている。かなりの便数があり、団地入り口のショッピングセンターに出かけたり、JRの駅まで乗車して、近隣の大きな町に行くのに便利である。しかも、高速バスも利用できる点で、老後も生活可能な所である。しかし、どの巡回バスを見ても、ほとんど客が乗っていない.比較的多くの乗客が乗っているのは、近くの大学、高校の登下校時、勤め人の通勤時に限定されるようだ。高速バスも同様である。 団地内の住宅で、乗用車がないというケースは、ほとんどない.今後も、バスの利用者が増加する可能性は低い。
 マイ・カー時代には、公的な乗り物は厳しい財政状況に見舞われる.日頃はマイ・カーを利用していて、いざ廃線、廃止という時になって「廃線は困る、寂しい」というのは、ある意味で、わがままである。マイ・カーを持たぬ高齢者や免許不保持の人間が困惑することになる。車を運転する者も、高齢になり、免許を返納するようになれば、公的輸送機関が必要になる。弱者の立場に立って、公的な交通機関の維持に協力する必要があるように思うがどうであろうか。例えば、通勤に、時々は、公的輸送機関を利用することは難しいだろうか。交通事故の心配も、飲酒運転の恐れもなく、読書したり、居眠りしたりもできよう。このことが、若い人の通学の脚、高齢者の通院の便を確保でき、いずれ、自分の子供や自分自身のプラスにもなるとしたら、やってみる価値はあるかもしれない。
 この春に廃校になる小学校に関するニュースに接することが少なくなかった。農村への移住希望者が増えているとはいうが、高齢者のケースが多いようで、児童の増加にはなかなか結びつかない。農村に仕事先を用意するのは、国家の仕事ではあるが、外部から老若男女を呼び込む、魅力ある環境を創るのは、地域住民の重要な仕事でもあるかもしれない。単に、田舎で、土地や家屋が安価であれば人が集まるというわけではない(私的な経験に基づく実感として、実際には、都市部に比して暮らしにくい要素も多いと感じている)ところが悩ましいところであり、その難題を克服する生き残りの知恵・工夫が必要である。


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