下に掲げるのは、秋篠宮とご長女のハンガリー訪問を報じた朝日新聞のネットニュースの一部である。
日本語は、微細な待遇表現を上手にこなす仕組みになっていると思っていたが、どうも皇室関係の新聞報道の表現には違和感がある。全国紙の中では思想的に左の極にあると思われている朝日新聞に特有のことかと思っていたが、読売新聞の場合も、ほぼ同様であるところを見ると、日本のジャーナリズム一般の問題のようだ。
私なりに、違和感のある部分を、(太字)という形で代案を提示してみた。最低限の修正である。「お二人」「……様」は、当然、文末までを支配する語句である。途中で、敬意を失っているかに見える表現のゆがみが、違和感を生じる元である。
私の立場は、特別に皇室の思い入れがあるとは言えないが、日本語の使用者として、同意できないものがあるという意味で取り上げてみた。
ジャーナリズムの場合、中途半端な敬意しか表現できないのであれば、はじめからニュースとして取り上げないのがよい.ニュースは、すでにあるのではなく、作り出すものであるから、作らなければよいし、ニュースにするのなら、それなりの覚悟と用意をして、言語表現の規則を守り、報道者の責任を全うすべきである。
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ハンガリーを訪問中の秋篠宮さまと長女眞子さま(25)は20日、首都ブダペストから南へ約100キロのキシュクンシャーグ国立公園内にあるブガツ・プスタ(大草原)農場を訪れた(訪問された)。家畜の研究者でもある秋篠宮さまが8年前に公務で訪れて関心を持ち(持たれ)、今回は私的旅行として、婚約内定を目前にした眞子さまを伴って再訪した(された)。
お二人は馬車で農場に到着し、馬術ショーでハンガリー伝統の騎馬技術を見学。さらに雨が降る中、ハンガリー固有種で「食べる国宝」とも言われるマンガリッツァ豚の畜舎を訪れ、「脂身が良質です」などと話すマジャール・ガボル国立公園副園長の説明に耳を傾け(られ)た。
マンガリッツァ豚はハンガリーでも一時は飼育農家が減り、国を挙げての保護策で絶滅の危機を逃れた。眞子さまは秋篠宮さまの傍らで身をかがめ、毛が多く、羊のようにも見える豚を興味深そうにのぞき込んでい(おられ)た。マジャール副園長によると、秋篠宮さまは専門的な質問をくり返し(され)、いったんその場を離れたあとも写真を撮るため再び豚舎に戻っ(られ)たという。
秋篠宮さまは日本とハンガリーの外交関係開設140周年などで中東欧4カ国をご夫妻で歴訪した2009年にも同じ農場を視察し(され)た。しかし、関係者によるとそのときには十分な時間がとれず、再訪を心待ちにして(されて)いたという。
お二人は、眞子さまの専門である博物館資料など、それぞれの調査研究を目的に22日までの予定でハンガリーを訪問中。前日の19日はブダペストで民族博物館や農業博物館を訪ね(訪問され)た。21日には国内のマンガリッツァ豚の生産農家も訪(問さ)れる。(ブガツ=喜田尚)
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