古書の価格についてである。 大手の古書店で、岩波の『漱石全集』の何巻だったか、大判の箱入りの本が二冊棚に並んでいた。出版されたばかりの頃には、ずいぶん高価な本であったので、興味を持って価格を見ると、なんと200円台。そう言えば、かつてのベストセラー小説、『ハリーポッター』も、今や200円台で手に入る。 私が学生の頃は、本を購入するということは、生活の質に響くほどの行為であったが、今や100円ショップで、ちょっと贅沢をする程度のものになっているようだ。しかし、それは古書の場合で、新刊書は相変わらず割高感がある。この大きな落差はなんとかならないか。古書店は、出版社や著者の憎むべき存在になっているようだが、安価でも代金を払っているだけ、図書館よりは良心的であるとも言える。その図書館も、新刊書を購入してくれる読者を育てる役割を果たしているかもしれないので、大らかに構えていて欲しい。 このところ重たい戦争物(史実を大切にした)を読み重ねてきたが、今日は、本屋大賞になった作品を読んでみた。そして、阿川弘之や吉村昭が棚から姿を消す理由が飲み込めた。今後、ますます、この傾向は進むことになろう。せめて古書店にはがんばって欲しいのだが……。
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