6月24日の参院本会議で、野党提出の安部首相問責決議案に対する反対演説の中で、三原じゅん子自民党議員が、野党に対して放った一撃である。
このところの国政の動きを見ていて、国会や議員の不手際、不祥事ばかりが目について、いったい国会とは、議員とはいかなる存在理由があるのか疑問に思っていたが、ややすっきりした。はっきり言えば、「バカかあんたらは!」ということである。この発言は、ネトウヨのそれだとか、ヘイトスピーチではないかという批判もあるようだが、国民の中にも、三原氏のように見ている人は少なくなかったのではないかと思う。
先日取り上げた年金問題(に関する「消えた報告書」)については、野党の批判は、2,000万円不足することに集中していて、問題の本質を突くものではなかった。モデルの設定の仕方や平均値が問題だというが、受給の実態と見通しを分析するためには、モデルの設定は不可決だろう。問題は、あの報告書のモデルによれば、2,000万円が不足するという深刻な事態であり、それをどう解決するかという建設的な意見、主張がなくてはならない。参院選を前に、ただただ揚げ足を取り、こき下ろせば野党に有利になると予想したとすれば、すでに負け犬の発想である。年金という、国民にとって切実な問題を「政争の具」にし、ただ批判するのみで、何の解決への見通しも持たない、恃むに足りない粗雑な集団とと思われても致し方ない。
ただ、三原氏の反対意見も、「安部氏が悪いというが、あんたたちはもっと悪かったのではなかったのか?」という論理が軸で、子どもの口げんかのようである。与党も野党も似たようなところはないか。民主党政権時代はもっとひどかったと言われても、現状に納得が行き、将来の見通しが明るくなるものではない。年金制度に対する国民の不信感払拭に何の貢献もしない。いわば、井の中の蛙同士のけんかか、コップの中の嵐なのである。
国政選挙の投票率の低さ、支持政党なしという人々の数値の高さの意味を考え直すべきであろう。「愚か者の所業。恥を知りなさい」の言葉は,国会に、またすべての政党、全国会議員に転送したい。