汚染水処理で微かに期待していた地下水バイパス方式に暗雲が立ち込めてきた。
建屋に入り込む前の地下水を、汲み上げ貯水したものを詳細に調査する内に、微
量ながらセシウムが混入していることが分かった。基準値内だから問題はないはず
だが、それを知りながら海に放棄するのに『賛成してくれ』とは頼みにくいし、説明を
して理解を求めるのもハードルが高過ぎる気がする。初めてと言ってもいいのでは
ないかと思う『東電のヒット』なのに、いつもは超辛口の私もこの結果は余りにも残酷
だと同情している。
ここの原発は破壊されて尋常な状態ではないから、安全基準なんてどれくらい守ら
れているのか、機能として残っているのかすら不明だ。もし、大きな天災や何かの災
害にでも遭ったら、また放射線漏れなんてことになりかねない。廃炉するにも簡単に
いきそうにもないから兎に角、長期戦にならざるを得ない。それを目の前で阻害する
第一は『増え続ける汚染水』で、今のままでは『貯め続ける』しか方法はないのだ。
これの解決方法を見つけないと廃炉へのスタートも切れない、現地で続く苦悩を消費
地の人たちは、忘れないで欲しい。