ミラノからヴェネチアに移動する中間点にベローナがあり、ここに立ち寄り昼食とシェー
クスピア著、ロミオとジュリエットの舞台となった館の観光をする。市内に入ると古代ロー
マ時代の円形競技場跡が目に入ってくる。写真でしか見たことのない円形競技場跡は
風化したり崩れたりして原型は留めていない。食事場所近くにバスを止め少し移動する
と広場があり野菜や果物などの市が開いていた。食事までの自由時間を利用して、市
場で売られているものを見て回ると、果物は分かるが野菜のいくつかは初めて見るもの
で、食べ方など想像もつかない形をしているものもあった。
市だから量り売りばかりで、日本ならスーパーでパックを買うことが大半だから昔懐かし
い風景に映った。周辺は古くからの街並みらしく石畳が敷かれて、家々には彫刻や家
紋のようなものが飾りつけられている。歴史と現代の人が交わる不思議な空間に思えた。
レストランの食事はホワイトソースのパスタで私はこの手のものは苦手、日本でなら絶対
に注文しないと思っていたが、食べてみると思いのほか美味しく完食してしまった。
いよいよ世紀の恋、ロミオとジュリエットがベランダ越しに愛を確認した館に出かけた。観
光名所だけあって各国の観光客が列を作り館に向かって歩を進める。途中、城壁だった
ような所を通るから、徐々に歴史の時を戻しているような感じになる。家に着くと小さな表
札があるだけで、事前にロミオの家だと知っていないと誰にも気づかれない、そんな家だ
った。
見どころはベランダとその下にあるロミオの銅像。ロミオの銅像には言い伝えがあり、ロミ
オの乳を触ると恋が成就するらしく、世界中から来た観光客が触るから、そこだけがピカ
ピカに光っていた。私たちも遅ればせながら? こうした事以外はロマンチストにしか興味
を持てない場所ではないかと思う。
ここから大よそ100km離れたヴェネチアまでの旅だが、高速道路を走りながら気付いたの
は日本では未だ普及していないETCが導入されていることだった。
イタリアはスポーツカーやファッションは世界トップクラスだが豊かさという点では、そうし
たものと比例せず先進国の中では下の方だから以外だった。道中は居眠りを繰り返しな
がら、なだらかな丘陵のような所を走る快適な旅で、明るい内にヴェネチア着。