今日の観光はこれが最後で市内から少し離れたホテルで一泊する。このツアーは少し
変わっていて食事なしが多く、自分で摂らなければならない。昼食に続いて夕食も自
分たちで探して食べることになっていた。ホテルから市内行へは無料バスが出ており、
最終バスは折り返しホテルに戻るので帰りは自前ということだった。パカパカさんたちと
6人で夕食に出かけてみようということになり、最終バスに乗り込み冒険の旅に出発した。
行き先は先程までいたシニョリーア広場界隈に足を延ばし、どこか食事の出来そうな場
所を捜した。しかし、これと言った処は少なく不案内なこともあり、こうして探していること
に不安を覚えるようになり早目に帰ろうということになった。
ガイドさんの話ではタクシーは簡単に捉まると聞いていたので、表通りに出てタクシーを
待ってみた。しかし、どう見ても車の通りは少なくタクシーは殆ど通らないし、来たと思った
ら客が乗っている。ここで見つけるのは無理だと再び広場に戻り、探してみるがタクシー
のタの字も出てこない。ブティックがあったからそこでお願いしてみようと英語の先生が店
に入り、完全ブロークンで頼んでいる。私も横からお願いをする。優しそうなお嬢さんが電
話をしてくれ1台だけなら都合がつくと手配してくれた。お礼に何か買おうとすると、そんな
必要はないと気遣ってくれた。表で待っていると待望のタクシーがやって来たから、若い姉
妹と年配夫婦に乗ってもらい、パカパカさんたちと次のタクシー探しに歩いた。
どれくらい探したのか分からないがタクシーは通らない、そこで目に入ったのが寿司屋さん
だった。ここなら日本語で頼めると中に入り事情を説明すると直ぐに手配してくれた。今日は
日曜日だからタクシーも休みが多く流しは殆どいないから、電話で呼ばない限り捉まらない
と教えてくれた。本当なら、ここで食事をしてタクシーで帰ればスムースな夕食になったのに
と、悔やまれてならなかった。イタリアのタクシーは4人も乗るのを嫌がると聞いていたが、背
に腹は代えられないから何を言われても乗り込む覚悟だった。苦労の末、やっとこさホテルま
での足を確保できホッとしたのだから、この運ちゃんは福の神のような存在なのに、僅かな釣
り銭は要らないと言い、肝心のチップを昼と同様に忘れてしまった。
瀕死からがらホテルに帰ると先に帰っていた年配夫婦は、私たちが帰るまで食事を摂らずに
待っておられた。恐らく遅れること1時間くらいだった思う。夕食は外で食べるはずが食べ損ね
結局ホテルで食べることになった。昼食が遅かったから夕食もシフトして丁度良かったのかも
しれない。