韓国文化に触れてみようと二つのツアーを予約した。
キムチ作りは庶民の文化、本場のキムチはどのようにして作られるのか体験できるもの
だ。このコースも自分たちで予約したものだから地下鉄に乗り地図を片手に料理教室
を探し当てた。
私は左程キムチを食べる方ではないし、作り方に興味を持っていたのではなかったが、
韓国でも自宅で作る人が減り中国産キムチを食べる人が多くなったと聞いて、ならば習
ってみようと変な論理で参加した。親切なガイドさんに当たると『最近のキムチは中国産
が多いので、安いからと中国産を掴まされないように注意して』と教えてくれる有様。
頭の中にある具材と違っていたのは、生カキ、生イカ、塩辛エビ(網エビの塩辛)は欠かせ
ないこと、味付けは専用のキムチの素が市販品であり、それを使う。そして本場、韓国の
唐辛子は2種類のものをブレンドして辛さを出す。日本では見たことのない大きな辛子(辛
くない)と普通の唐辛子粉を使う。少し塩漬けした白菜に具材をすり込んでいくのはお馴染
みの工程で、普通にやればよかった。全部詰め終えると、もうこれで完成だから食べられる。
試食してみると、味付けの素と網エビの塩辛により日本で買うものよりコクが出ているように
思う。ここでふと心配になったのが生ガキの存在だ。生ガキは新鮮なものでも食中毒を起こ
すことがあり、そのような食材を漬物にしてしかも長い時間をかけてから食する、本当に大
丈夫か心配する。実際には、ここで食べた時も、帰国後に食べた時にも異常はなかったか
ら大丈夫みたいだが、安心して生ガキを入れる心境にはならなかった。
作ったキムチはビニール袋に詰めて持ち帰るが、帰国した頃が一番おいしいだろうと先生
の話だった。秘訣を聞いて意外と簡単だったから、南大門市場に寄りキムチの素と大きい
唐辛子、網エビの塩辛を購入し、やる気満々だったが冷蔵庫の肥やしで終わってしまった。
場所を変えて私たちは韓国のマナーを習い、高貴な方が着る衣装を身に着け宮廷料理を
頂くコース。宮廷には行けないので、韓国の古民家のような場所で体験することが出来た。
着慣れない服をつけて目上の人への挨拶の仕方、夫婦間の挨拶とか習ったが一夜漬けに
もならない教育だったから、直ぐに忘れてしまった。
韓国料理は少量の料理が多種出される。韓国料理の講習会で習った九節板(クジョルパン)と
いう料理は八角形の区切られた器に色々な料理が盛られる。日本料理の中で似ているの
は幕の内弁当、仕切りが沢山ありそこに料理が盛られ一つの器として扱われている。
宮廷料理は一つの料理の量は少ないが、種類が多くお膳の上は料理のお皿で一杯になっ
てしまい、どれから食べていいのやら迷ってしまう。漬物でも何種類もあり色々な味を楽しむ
ことができる。宮廷料理だから味は割とあっさりしたものだった。これと似た料理は明洞ある
『アミソ』という店で食べることが出来る。