米子からインチョン経由でカンボジア北部のシェムリアップに向かう。インチョンまでは1時
間ほど、インチョンを夕方に出発し6時間余の飛行でシェムリアップには夜中に到着する。
韓国を離陸してから海上を飛行しベトナムからはジャングル地帯の上空を飛行するから下
界を覗き込んでも真っ暗闇ばかりが見える。
そろそろ到着かと思い外を覗くと時たま、闇の中に弱い灯りが見える程度だから、日本は如
何に電気が行き渡っており贅沢な使い方をしているのかよく分かる。
シェムリアップ空港の上空に来て、日本の風景の風景を思い浮かべた。田んぼの中に幾つ
かのサーチライトを並べた場所、そんな感じの寂しい飛行場に到着した。空港建屋は平屋
で飛行機を降りると、流石に南国だから生温かい空気の中を徒歩で建屋に向かう。午前様
の入管は至極簡単、税関の申告書は置かれている箱の中に入れるようになっているが、入
れても入れなくても、どうでもいいようだった。私たちは事前にvisaを取得しての入国だから
そのまま入管の列に並ぶが、ここで取得する人は窓口に向かい手続きをしていた。
見ていたが、さほどvisaの窓口は込み合っているようではなく、時間帯によってだろうが、カン
ボジアビザは比較的簡単そうだった。手続きを終え出口に行くとトゥクトゥク、タクシーの客引
きが待ち構えており、しつこいほど声をかけて来る。私たちはツアーガイドが迎えに来てくれ
ているので知らん顔をして、ガイドと一緒にホテルまで。
飛行場からホテルまでは暗い道のりを15分ほどで到着、このホテルは中心地からトゥクトゥクで
10分くらいの所にある。周囲には似通ったようなホテルが沢山建てられている。ホテルの前の
道は国道6号線となっているが、道端は赤い砂埃の立つ土で簡易舗装された粗末な道路。
自動車の通行は少ないがバイクとトゥクトゥクがひっきりなしに走っている。もちろん、信号機や
横断歩道など見当たらない。私たちが泊まったホテルは中心街、シヴォッタ通りからトゥクトゥク
で10分ほどの所にあり、夜になると周辺は寂しい景色になる。