市内から車に乗って約2時間でメコン川入口の町ミトーに到着する。ホテルを出る時間が市内のラッシュと重なり、色
々な通勤、通学風景を見ることが出来る。学校の校門付近はバイクに乗せられた子供たちが次々と降ろされ、出て
は入って来るバイクの群れ、中には数人の子供を乗せている人もいる。自分の子供だけなのか、近所の子供も乗せ
ているのか。通勤らしいサラリーマン風の人は男も女も、それらしい姿で乗っているが、会社務めではない女性は例
の竹細工のような帽子を被っているから区別がつきやすい。
ミトーの町からボートに乗って島にある観光施設、ココナツキャンディー工房、蜂蜜農園を見学する。一応、施設と呼
ばれているが家内工業に近くココナツキャンディーを作る所は中くらいの鍋にココナツミルクを入れ煮詰めたものをキ
ャラメルにする。その工程は家庭で作るより少し規模が大きいと言ったもの。ここで作られているキャラメルは現地材料、
現地生産しかも家内工業的だから、勧められると断るわけにはいかず、お土産に買わざるを得なくなる。味はココナツ
とあっさりとした甘みがあり美味しかった。水辺はマングローブ、陸地はジャングルにあるような木々の島ではあるが、観
光地だから土産屋や一寸した食事を摂る店もあり、周辺はきちんと整備されている。
ある店に入ると錦蛇の大物が観光客の首に巻かれ写真を撮っている。妻が呼ばれて、怖々と首に巻いてポーズをとる。
私も呼ばれたが近寄ることも願い下げだから遠くで、嫌々をしていた。蛇を首に掛けるとすごく重いそうだ。
妻は蛇が好きではないと言っているが、シンガポールでは白蛇と一緒に写真を撮っているから、私ほど恐怖を感じては
いないようだ。
次に案内されたのは蜂蜜農園、養蜂場所を見物することもなく、いきなり蜂蜜やローヤルゼリーを売っている店に。お茶
のサービスを受けている間も熱心に商品の説明をして、しきりに試食を勧められ何か買わないと、と思わせる。
店を出て水辺に向かう。私たちを手漕ぎの船で島内のメコン川につづく小さな川を散策する。船頭は観光客に受け狙い
か女性。
最高、何人乗れるのか知らないが今回は全員で4人、それでも力は要るのではないかと思う。マングローブで南国特有の
雰囲気の中をゆっくりと水辺の旅を楽しむが、水は濁っていて汚いから趣としては観光より、学術調査で生き物を探す方
になる。こういう雰囲気はクチの地下トンネルと合わさって、ますますランボー。そして、昼食は名物料理『エレファント・イ
ヤー・フィッシュ』をレストランで頂く。象耳魚は名のごとくで平べったい魚で形が・・・・
本当は象の耳には見えないが、そいつを唐揚げのようにパリパリにしてある。淡水魚特有の臭みはなく淡泊で癖のない魚
だ。ベトナム料理には沢山の香草が使われるので、こうした魚は添える香草によって味が大きく変化する。
香草の好きな人はリクエストすれば別のものをトライできるかもしれない。魚の他にソフトボールのような丸いものが出されて
いる。グレイト・ボールという揚げ餅、物珍しさはあるが特別な味はないから、話のタネにすればいい。
ミトーで水遊びを終え帰路に着くと、夕方ラッシュと重なり今度はバイク洪水の中を漂いながら、ゆっくりとホテルに向かう。