私が思っていたアンコールワットは有名な3本の塔がある寺院とそれにまつわる遺跡があ
るくらいのものだったが、遺跡は数知れず1冊の本になって紹介されるほどある。
それも数キロのエリアかと思いきや、数10Kmいや100km以上離れた所にも遺跡が残され
ている。私はそうしたカンボジアの遺跡をアンコールワットとして一括りにしていた。
アンコールワットだけでも隅から隅まで歩けば1日はかかるから、この寺を中心にして主だ
ったものだけがツアーなどで回ることになる。遺跡群には入場料を必要としている。遺跡の
発掘、補修などの費用を捻出するためのものだ。観光する場合、切符売り場で1日券、1週
間券を購入するが首からかけるパスケースに、写真が印刷された券が入れられる。券の購
入時に写真撮影をするのは珍しいが、本人確認できるようにしておかないと偽造が横行し
そうな気がしないでもない。
遺跡をじっくり見学するには1週間でも無理、好きな人は何度でもこの地を訪れると思う。私
たち夫婦も2度行っているが私はまた行くつもりでいる。ホテルの朝食は洋食に和食もどきが
用意されており、いずれを食べても美味しく頂くことができた。朝食後の遅い時間ガイドがや
ってきてアンコールワット、アンコールトムなどの遺跡巡りに出かける。ツアー客は私たち二人
でガイドはトヨタレクサスに乗って迎えに来た。
アンコールワットの入口に着くと世界中からの観光客が入り乱れており、その人気ぶりがよく分
かる。入口にゲートはないが首にかけた写真入りチケットが見えるようにしておかないと、係員
が提示を求める。周囲はお堀になっており入口から本殿入口まで数百mの石畳を歩いていく
が、本殿をバックに写真を撮りたい所でもある。石畳は堀から1.5m位の高さがある。写真を撮る
のに夢中になり足を踏み外し堀に落ちる人もいるから要注意でもある。本殿に入ると縷々説明さ
れても頭の中には最後に聞いたことだけが残る記憶容量しかないから、前のこととの繋がりは消
えてしまう。それほど、沢山の歴史的なこと文化的なことの説明がある。アンコールワットに代表
される遺跡群を数百年にわたり作り続けた権力下に驚く建設技術、労働力が存在していたこと
を目の当たりにするが、近年のポルポト達の愚行と比較すると、同じ民族でありながら(権力は部
族、xx人と入れ替わりした時期はある)昔は繁栄を現代は発展の障壁になった違いは顕著だ。