初めてここを訪れる時、シェムリアップのことを全く知らなかったのでネットで調べている
内『スナダイ・クマエ孤児院』のHPにたどり着いた。カンボジアの難民として日本に来てい
た人と結婚した日本人女性、メアス・博子さんが運営している孤児院。
アンコールワットを調べていたのにカンボジアの孤児院に繋がり、大変な苦労をしながら
何故この人たちが孤児を救わなければならないのか興味を抱かずにはいられなかった。
シェムリアップに行ったら是非ともスナダイ・クマエ孤児院を訪問して、メアス・博子さんと会
って、お話を聞いてみたいと思い、HPに記載のアドレスにメールを送った。ツアーには自由
行動の日があり、その日に訪問したいとお願いたら、直ぐに返事がきて訪問のアポがとれた。
私たちは地図でしか場所を知らないから、ホテルに頼みタクシーを呼んで貰うことにした。そ
の際、前日に乗ったタクシーの運転手は態度もよく少し日本語も話せる人だったから所謂、
指名の形だ。
値段交渉は私と運転手間のこと、孤児院に行って訪問中は待ってもらい、それからオールド
マーケットまで連れて行って貰う。
距離は5~6Kmだから大したものではないが、待って貰うから・・・と考えて10ドルを提案したら、
運転手にとって勿論のこと万歳もの。たった1時間くらいの仕事、それもガソリンは殆ど消費し
ないのに1日分以上の稼ぎをしてしまうのだから。何処の国でも態度の良い人はこういう時に
得をするもの。
孤児院に行くことになったのでお土産として、鉛筆10ダース、折り紙10冊などと沢山の文具と飴
玉などのお菓子を準備していった。こうした土産を持参して孤児院に行くと、小柄なメアス博子さ
んが出迎えてくれた。私たちよりずっと若い。初対面なのに、何故か以前からの知り合いのような
錯覚を覚える。お話を聞けば聞くほどこの人の持つ心には無駄な飾りを一切しない情熱がヒシヒ
シと感じられる。孤児たちを実子のように思い育てるからこそ、子供たちに厳しく躾をしたり、悪い
ところ良いところをきちんと説明し子供たちに納得させている。子供たちを育て自立させるのが第
一段階のことだから、長い年月をかけて成し得ること、当然のことながらお金はついて回る。
こうした事情は知っていたから、私たちも微力ながら子供たちへのお土産と寄付金を渡し孤児たち
の為に使ってもらうことにした。経済的にも苦しいであろうが、東日本大震災の時、孤児たちが日本
に支援したいと、彼らの絵画や作品をチャリティーとして資金を得て、その一助にしたいと言ってお
られた。この孤児院のことはネットでも沢山、紹介されているから実際の活動は、そこで知ることが
できる。私たちは2度、シェムリアップに出かけ2度とも孤児院にお邪魔し、子供たちの笑顔と博子さ
んの元気を貰っている。間違いなく3度目のアンコールワットはあるから、その時は一回り大きくなっ
た子供たちとの再会を楽しみにしている。
スナダイクマエ孤児院のブログ http://snadai.blogspot.jp