ベトナムは貝殻を貼りつけ花柄や風景の一部に取り入れた図柄に漆を塗り磨き上げた芸術的な作品が、主に観光
客相手に販売されている。工房見学をしてショップに行く例のパターンで販売価格の表示はUS$でしてあり結構な
値段だからベトナムの一般人ではなく、観光客相手だと直ぐ察しがつく。
工房では若い人が貼りつけた貝殻をサンドペーパーのようなもので磨いていた。貝殻を一枚張るのではなく、貝を
構成しているうろこ状の薄いものを貼りつけているようだから、丁寧な仕事が要求される。サザエやアワビなどの貝殻
に見られる独特の色合いを上手く組み合わせて図柄にしてある。
私が買ったものはアオザイ版、見返り美人風で女性の後ろ姿は貝殻で描かれ、周囲の花は描かれたもので全体は
漆塗りになっている。図柄がベトナム女性のしなやかさを後ろ姿で表現している実に落ち着いた作品、私は一目で
気に入り購入。東南アジアの女性は全般的にスリムで年配の人も欧米人のような太っちょは殆ど見ない。
南国の蘭、蝶、鳥など派手な動植物を描いたものは華やかで、これはこれで美しいから、一番最初に良いと思った
ものを買わないと、迷いに迷って決められなくなる。
図柄、大きさによって異なるがA4サイズくらいのものを完成させるのに最低1か月近くかかる。ベトナムも長い間の戦
争で沢山の人が亡くなり、若者たちの数が目立つ。こうした工房でも、若手の技術継承が行われているらしく、作業
しているのは若手が殆んど。先進国はこうした若者たちを安い労働力だけとして使い捨てにしないで、育成していく
ことで社会貢献を果たすべきだと思う。
漆塗り