ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

38 壬申(じんしん)の乱とスサノオ

2009-05-03 10:02:58 | 歴史小説
大海人皇子が兜をかけたとされる兜掛石(岐阜県不破郡関ケ原町松尾)
:ウィキペディアより



●ヒメ 22:19
まずいなあ。私の書きかけの小説「壬申の乱殺人事件」の一番肝心のところが、バレてしまうじゃない。

●カントク 22:20
心配はご無用。我々はヒメの推理を後追いするだけじゃ。また、皆のものは口が堅いぞ。

●ヒメ 22:22
了解。もし、皆さんの推理が勝っていたら、「そのアイデアいただき!」よね。

●カントク 22:23
ボクちゃん。ざっと、論点を整理してよ。

●ボク 22:24
いきなり抜き打ちのテストですか? 「壬申の乱とスサノオの関係」と言われても、頭の中は真っ白です。

●マル 22:25
仮説を立てて論点整理なんていいからさ、ざっと乱の説明をしてよ?

●ボク 22:26
壬申の乱は、一言で述べると、天智天皇が亡くなった後に、誰が皇位を継承するかを巡る争いです。弟の大海人皇子(おおあまのみこ)と、天智天皇の皇子の大友皇子が争い、大海人皇子が勝利し、天武天皇となります。
天武天皇によって始めて天皇を中心とする中央集権国家、律令政治体制が完成した、という節目となる「天下分け目」の戦いであった、と思います。
そこに、スサノオがからんでくるとなると、信長の例から考えると、大海人皇子はスサノオを信奉していた、ということでしょうか?

●ヒナ 22:32
補足したいと思います。
天武天皇は、それまでの「大王(おおきみ)」を改め、初めて「天皇」の呼称を定めた、という説が有力です。
信長が「天主」と称した例から見ると、大海人皇子は、スサノオの「天王」の呼称を受け継ぎ、「天皇」と称するようになった、と考えることができます。
ただ、この説が成り立つためには、「スサノオは天王と呼ばれていた」「天武天皇が、始めて天皇の呼称を使うようになった」の2点の証明が必要ですが。

●カントク 22:38
二人とも、若いだけに推理力のパワーアップは著しいのう。他にはどうじゃ。

●マル 22:39
柿本人麻呂の歌に、「大君は神にしませば」で始まる歌がありますよね。
天武天皇が神である、ということは、スサノオ、大国主などの神の後継王である、ということではないかしら。

●カントク 22:41
それは、面白い着想じゃ。ヒナちゃん、古事記で神と呼ばれている登場人物を挙げてよ。

●ヒナ 22:42
古事記データベースを検索して整理します。20分ほど、時間を下さい。

●カントク 22:43
ボクちゃん。壬申の乱での大海人皇子の動きは分かるかな?

●ボク 22:44
ヒナちゃんは研究室ですけど、こちらは旅先ですからね。だいたいの記憶をたどります。昔、
三重大学の市民講座「壬申の乱ウオーク」に参加して、歩いたことがあるんですよ。
まず、驚くことは、大海人皇子が吉野を脱出してから、わずか1か月の短期間に乱の決着は着いています。
本能寺の変から光秀が討たれるまでが、わずかに10日あまりです。それと較べてみても、大海人皇子が東国へ脱出する期間、兵を集める期間、戦闘期間を考えると、30日で天智天皇朝を滅ぼしたというのは、驚異的なことです。
後の、関ヶ原の戦いは、遠い江戸城にいた東軍・家康と大阪の三成の西軍との戦ですが、三成挙兵から関ヶ原の戦いまで2か月です。

●マル 22:52
ボクちゃん。その大海人皇子の動きに、スサノオとの接点が必ずあるはずよ。何か、思いつかない?

●ボク 22:53
大海人皇子たちは吉野を脱出し、険しい山中を宇陀から名張へ抜け、上野、伊賀、鈴鹿、伊勢、桑名を経て、関ヶ原に陣を構えています。
途中、四日市の河原で、はるか南の伊勢神宮の天照大御神を遙拝したとされていますが、途中にスサノオゆかりの場所は登場しません。

●ヒメ 22:57
盛り上がって来たんだけど、「サラリーマン作家」のシンデレラ・タイムになっちゃった。

●マル 22:58
明日のためにお開きにしましょう。次回は週末、9月20日の19時でどうかしら?

●ホビット 22:59
ちょうど、その頃には帰国しています。一杯やりながらのミーティングはどうですか?

●マル 23:00
OK。リアル・ミーティングは18時から新宿の「卑弥呼」、ネット・ミーティングは19時からとしましよう。私のところに出欠のメールを下さいね。

●マル 23:02
ヒナちゃん、レポートは、明日にでもアップしておいてね。皆さん、お休みなさい。

(ネタモトは『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)です)


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