はてなブログに「縄文ノート145 『もちづき(望月)』考」をアップしました。https://hinafkin.hatenablog.com/
「縄文ノート142 もち食のルーツは西アフリカ」に追加して、長野県佐久市の望月町などの地名や知人の名字にも見られる「望月」について考えてみたいと思います。
望月(ぼうげつ、もちづき)は「満月」の異称とされていますが、「望」は呉音・宋音「モウ」・漢音「ボウ」、訓読み「のぞ-む」であり、「もち」と読むことはできませんから、本来は「餅のように丸い餅月」であったと考えます。
この「もち」語のルーツはどこからかですが、私は「倭音倭語・呉音漢語・漢音漢語」の日本語の3層構造において、農業語・宗教語などの倭音倭語がドラヴィダ語系であることを大野晋さんの『日本語とタミル語』からまとめましたが、「もち月」についても調べてみると、タミル語の「mat-i(マチ)」は満月を表し、日本語の「möt-i→ moti(もち)」(満月、望の月)に対応し、8世紀には「a→ö」の母音交替があったというのです。中国語は「満月(mǎnyuè)」ですから、「もちづき=望月=満月」はタミル語の「mat-i(マチ)」が「moti(もち)」と発音されるようになった可能性が高く、元々は「丸餅=丸いも餅」がルーツであった可能性があります。
日本に伝わっているドラヴィダ族の1月15日の「ポンガ」の烏祭りが、1月15日の「mat-i(マチ:満月)」とどのような宗教的な関係があるのか、「もち食」や「もちもち」の感触などと関係があるのかどうか、461の民族、200以上の言語があるとされるインドの「いも食」や「もち食」については今後の調査課題です。
本ブログの「スサノオ・大国主建国論」では、「葦原中国」「水穂国」の建国について書いてきましたが、縄文時代からの豊かなイモ・マメ・雑穀・魚介食の伝統のうち、出雲国風土記の嶋根郡・楯逢郡の「芋(サトイモ)」、意宇郡・嶋根郡・秋鹿郡・楯逢郡・飯石郡・大原郡の「薯蕷(やまのいも)」と“日本三大芋煮”のうちの1つとされる津和野の郷土料理「芋煮」の関係や、「望月」の祭りや「もち食」文化について考えてみていだければ幸いです。 雛元昌弘
□参考□
<本>
・『スサノオ・大国主の日国(ひなのくに)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)
・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)
<雑誌掲載文>
2012夏「古事記」が指し示すスサノオ・大国主建国王朝(『季刊 日本主義』18号)
2014夏「古事記・播磨国風土記が明かす『弥生史観』の虚構」(前同26号)
2015秋「北東北縄文遺跡群にみる地母神信仰と霊信仰」(前同31号)
2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(前同40号)
2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(前同42号)
2018秋「『龍宮』神話が示す大和政権のルーツ」(前同43号)
2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(前同44号)
2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(前同45号)
<ブログ>
ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina
ヒナフキンの縄文ノート https://hinafkin.hatenablog.com/
帆人の古代史メモ http://blog.livedoor.jp/hohito/
邪馬台国探偵団 http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/
霊(ひ)の国の古事記論 http://hinakoku.blog100.fc2.com/
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