Aquascooter Maintenance for Spearfishing アクアスクーターで魚突き 全76回

使いこなそう、アクアスクーター整備ノートby KosakaNatsuki

**全76回で終了済み**

Blog 第5回 「現地でのトラブル対策 始動不可」 その3=小坂夏樹= #5 Hard Starting at Site ③

2015年02月14日 | マニュアル

予備プラグは防水ケースに入れてスノーケルに取付けるなどすると使い易い。広口のペットボトルも便利に使える。加熱して平たく潰したり、細く絞って携帯しやすくする。ウエスやプラグレンチも入れることが出来る。


=始動不可・前頁から続き=
5、排気口と排気弁=ゴムカップ

廃液(残滓)の排出及び排気弁なしでの始動
点火系は正常らしいがそれでも始動しないという時に、排気バルブを外して始動ロープを引いてみると、ごく簡単に始動出来る。それはゴムカップをバネで押さえていることからくる排気抵抗が無くなるからだ。こうして少なくともエンジンが回転していれば、不具合の原因を見つけやすくなる。


このとき、白い栓とバネだけを外せばゴムカップは浮いた状態で、抵抗が掛からなくなるから、このまま始動して構わない。但し、外すときは特に野外などではバネがはねて転がったりすると見失うことがあるから注意が肝要。

取敢えず私の経験では、
ピストン・シリンダの損傷で圧縮が不足
高圧部の不良で火花が不安定
キャブの流量調整膜が劣化
こんな場合でも不安定ながら始動は可能だった。
勿論万能と言うつもりはないが、特にプラグ被りらしいがプラグレンチを持っていないという時には是非試して欲しい。一旦始動すればプラグ被りは解消すると思う。

都合の良いことに、バルブを外すと、マフラー内に溜まっているどろりとした残滓が排出できる。これは混合ガソリン燃焼に伴う生成物つまり水や煤と吸気系から入った海水のしぶきなどの水分とを含んだものだ。エンジンを始動すれば、排気の圧力で排出されるのだが、停止してしまえば意外に多量の廃液が残っている。

遠征先で数日間使用したら始動が出来なくなり、キャブ調整をしても不調だったときに、バルブを外したところ大量の残滓が流れ出て、それを排出したら始動出来るようになったことがある。たとえ残留していてもそれほど抵抗になるとは考えづらいが、残滓が大量に溜まっていると、本体を傾けたり寝かせたりした時にシリンダに逆流してプラグを汚損することも考えられる。

始動したら、ついでのことに浮いた状態のゴムカップを指で押し付けてみると、先に紹介したように調子が良いかどうかが推測出来る。かなり押し付けてもエンストしなければそのまま使用して構わないというわけだ。



ところで排気バルブによる抵抗と浸水の可能性を除く方策として、ここ数年のイタリアでは、排気口にホースを直結して空中へまたは水中へ排気する改造が活発に行われている。PescaSubApneaフォーラムを見ると、空中排気用のマフラ(消音器)の仲間内での販売もされているようだ。私も現在改造したものを使っているが、もうこれしか使いたくないと思うほど快調だ。改造は簡単だ



後日詳細を紹介するがこれまたYouTubeに改造動画などが投稿されているから参照を薦める。写真はホースが入手できず、通常の水道ホースを使ったもので、2日ほどで穴が開いててしまった。今はピンクの耐油ホースに替えている。

以上で陸上での始動トラブル対策の項終わり。
次回は水に入ってのトラブル対策
 =小坂夏樹=


=Blog第5回「現地でのトラブル対策 始動不可」その3 終り=