生まれて一週間。タンチョウのヒナにとり試練の時です。俊敏に体は動かず、周囲への警
戒心もまだ確立していません。両親に護られているとはいえ、危険はいっぱいです。
おばんです。小太郎でごじゃります。
◆ 小さなときは外敵にご用心 ◆
虎視眈々とヒナを狙う外敵がいます。筆頭はオジロワシ。次にキタキツネ。ハシブトガラ
スもいますが、親の元にいれば、守れます。
オジロワシは大きな体をしている割に俊敏です。眼がいいので遠くからタンチョウの両親
の行動を観察しています。特に干潟にヒナを連れてくるときは、両親の警戒がゆるくなる
一瞬を窺っています。
ヒナは持って生まれた本能で、物陰に身を置くような行動をとります。茶色の羽毛は保護
色の役目を持ち、遠くから目立ちそうにないのですが、オジロワシは捉えています。
狙う瞬間を捉えたことがあります。いつもなら高いところを飛んできますが、狙うときは
低空で水平にやってきます。カモを追いかけるときの速さは出しているようです。
両親が気づかなければ、上空でホバリングしてタンチョウの気を自分に向けさせたときに、
急降下してヒナを掴みます。その前に両親が気づくと、横を素通りしていきます。
近くに降りて様子を窺うこともあります。そんなとき、タンチョウの親は翼を広げ攻撃に
転じます。オジロワシより大きい体をしてるだけあり、タンチョウの反撃は威力がありま
す。
長くしっかりした脚で、押し倒すこともあるんです。鋭い嘴でつついていくこともあります。
地上に降りたワシは反撃を受けるとひ弱です。翼を広げ、脚で対抗するしかないのです。
ほとんどはすぐに飛び立って逃げていきます。それでもあきらめず狙うオジロワシも多い
のです。
ヒナはたくさん食べて早く体をでかくするのが、一番の防御。親タンチョウもひたすら雛に
餌を食べさせます。