エゾカンゾウが咲きだすとノビタキのヒナが巣立ちを始めます。野付半島の草原は海風で
草丈が伸びません。せいぜい膝くらいまで。ハマナスの灌木さえ大きくなりません。そんな
草原がノビタキは好きです。
おばんです。小太郎でごじゃります。
◆ ノビタキとエゾカンゾウ ◆
巣立ったヒナは巣から離れ、ハマナスの灌木の中や伸びだしてきたシシウドの葉の中など
姿を隠せるところで親が持ってくる食べ物をもらいます。食べ物は虫の幼虫がほとんど。
草の中で成長する虫を見つけては雛に運ぶ親鳥。
オスとメスが協力し合い、分散して待つ雛に運びます。食べ物が多い草地にヒナがいれば、
捕まえてすぐにヒナに運べる利点があります。
効率よく、たくさん運ぶことで雛の成長を促進し、丈夫な雛を育てられます。ヒナが渡る
時期までに残る確率は、この時期の親の努力にかかっているのです。
ヒナを狙う天敵はカラスやイタチの仲間のイイズナ。彼らがやって来ると親鳥はジィッ、
ジィッと警戒の声を出し、敵の周りで警戒します。もちろん人も同じ。
エゾカンゾウの花を撮ろうと草原に入って行くと、近くにやってきて警戒します。その時に
エゾカンゾウの花の上や茎に止まり、ジィッ、ジィッを繰り返し威嚇してきます。
声でヒナたちに注意をさせ、自分に相手の注意を向けさせます。この時ヒナは移動し、
天敵から遠ざかります。
ヒナが遠ざかっても、親はひつこく近くでまとわりつきます。ノビタキとエゾカンゾウの
2ショットはこんな事情から撮れてしまいます。