野付半島は海に突き出た砂嘴。日本最大の砂嘴半島だ。先端に向かって車を走
らせると左が根室海峡、右が野付湾。波立つ海と静かな海という異環境を愉し
めます。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ 海からの贈り物 ★
左右に眼を走らせているとたまに異変に気づきます。カラスやカモメがたくさん
集まり、ワシ飛んでいることがあります。観察が浅いころは気にせず通過して
いました。飛ぶ鳥を見つけたら事件だと思え。ここ10年の心がけです。
3月にカラスが数羽、ひとところで飛びあがっているのを発見しました。根室
海峡側の海岸線。道路からは何も見えません。車を降り草地を歩いて行くとカ
ラスの複数の声がしています。集まっています。
もしかするとワシたちがたくさん来てるのではと予想して隠れつつ近寄るとオ
オワシの頭が見えました。さらに数歩歩くと一斉にオオワシが飛び立ってしま
いました。
10羽以上が海の方へ逃げていきます。オオワシは警戒心が強く、海岸に降り
ているときにはすぐに飛んでしまいます。なかなか近寄れないのです。
海岸線が見える位置まで歩くと次々に残っていたワシたちが飛び立って行きます。
数えてみると30羽近いオオワシが集まっていました。オジロワシがいなかった。
双眼鏡で残ったカラスが集まっている場所を確かめました。ゴマフアザラシの
遺体が波ぎわに打ちあがっています。まだ新しく毛皮の模様がしっかりしてい
ます。
オオワシはこんな時の先鞭者。がっちりとして鉤状に曲がり、鋭く尖った先。
これがオオワシの役割と言わんばかりに硬いアザラシの皮を引き裂いて行きます。
打ち上げられたアザラシは頭の方から引き裂かれ、生々しい肉が露出していま
した。まさに解体が始まらんとしているところです。
オオワシが逃げ去った後にカラスたちが集まってきています。再びオオワシが
集まってくる前に失敬して行こうとしてる連中です。
離れたところで見ているとポチポチとオオワシが集まってきます。私がいると
やってこないことは分かっているので、気を使いその場を離れました。