北極海沿岸地域のツンドラ地帯で繁殖しているアカエリヒレアシシギ。彼らはメス同士が
産卵場所を巡り争う。それを交尾相手のオスと共同で懸命に防衛します。
おばんです。小太郎でごじゃります。
◆ アカエリヒレアシシギの逗留 ◆
ところが、産卵を終えたメスは卵をオスに任せ、すぐに南への渡りを始めます。
根室海峡では7月10日前後にアカエリヒレアシシギの群れが現れます。そして日ごとに
数を増やし、羅臼の沖合で9月になっても逗留しています。
ハシボソミズナギドリの群れが集まっているところで一緒に群れ、オキアミを食べ過ご
します。この情報は毎日羅臼沖でシャチやクジラを観察している「知床ネイチャー
クルーズニュース」の日誌から得ています。
羅臼沖はプランクトンが豊富で、クジラをはじめシャチ、イルカの大型動物からマグロや
ブリ、シイラなどの大型魚類、イカやイワシ、キビナゴの小型魚がたくさん集まり棲息
します。
それを支えるのが豊富な植物プランクトン。餌にする動物プランクトン。中でもオキアミは
豊富で、南半球で繫殖したハシボソミズナギドリは4月から9月にかけ滞在してます。
アカエリヒレアシシギも繁殖を済ませ、早々に南下してきて根室海峡で集まっています。
低気圧が通り過ぎ、群れの一部が野付半島に退避してきたのです。その数500羽以上、おそらく
もっといたでしょう。
ほとんどはすぐに海に戻ったようですが、一部が10日ほど残っていました。丁度、ユスリカを
はじめとする昆虫が大量に発生する時季で、アカエリヒレアシシギたちは虫を食べるために
干潟や水たまりに集まっていました。
急に深くなった水たまりでは虫たちが草の上の方に退避して、アカエリヒレアシシギたちが
食べやすい状況ができていたのです。おそらく彼らが繁殖してるツンドラの環境状況に
似ていたのでしょう。
せっせと食べる姿、ツンドラでの生態を見るようでわくわくしました。
8月の中ごろは首がまだ赤かったのですが、すでに羽替わりをした個体も多かったですね。
ヨーロッパへ行く飛行機から見るシベリアは、広大で何もないように見えますが、幾多の生命がはぐくまれているんでしょうね
間近で見てみたいです