窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

エゾカンゾウが満開

2020-06-28 15:30:07 | 根室の風景

エゾカンゾウが野付半島の草原で満開です。見事な橙色の草原です。正式名は

ゼンテイカ(禅庭花)、意味のある名前に思えます。本州では、夏の高原の風物詩

として有名ですね。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ エゾカンゾウが満開 ★

各地で名前があり、ニッコウキスゲ、エゾゼンテイカ、エゾカンゾウなど。こ

ちらではエゾカンゾウを使っています。

アイヌの人たちはカッコウがよく鳴くころに花を咲かせるとして「カッコク・

ノンノ」(カッコウの花)と言います。確かにハマナスの灌木が生え、センダイ

ハギが満開になり、エゾカンゾウが咲いている草原で立っていると、カッコウが

托卵のために飛びながら、鳴きながら移動して行きます。

地についたた生活をしているからこそ出てくる名前です。

この草原、今はまだエゾカンゾウの花で満ち満ちていますが、いずれ消えてい

くかもしれません。20年前くらいから冬季にエゾジカが銃口を避け、越冬を

しだしてから減りだしました。春に出てくる新芽をエゾジカが食べるのです。

500頭以上がいた時期は、多くの植物の芽が喰い込まれました。エゾジカが多く

過ごした場所ではほぼ全滅、以前はエゾカンゾウの橙で染まっていた場所は

なくなりました。

ただ車が多く走り、人の気配がいつもする場所にはシカたちも集まらず、

エゾカンゾウが残っています。

花は朝に咲き、夕方にはしぼむ一日花。朝顔みたいな、潔き花です。わずか半日

の間に虫を引き寄せ、受粉させ、種を作る努力花。

ハエなどを引き付け、花粉を付けさせる戦略をしっかり持っているようです。

花の形、雄しべの曲がり方、雌しべの位置、どれをとっても花粉が付きやすく

する工夫が進化してきているはずです。

そう考えながら花を写しています。



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