窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

タンチョウのヒナ、最初の食事は

2019-06-22 00:48:00 | タンチョウのいる風景

野付半島で生まれたヒナ。最初に口にするのは、もちろん魚。海辺で生まれたタンチョウ

は魚が一番。2羽の親はヒナを見守って干潟に連れてきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

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             ◆  タンチョウのヒナ、最初の食事は  ◆

ヨシの中から連れ出したタンチョウ夫婦。ヒナを干潟の水路に導いていきます。オープン

な場所ですから周りの外敵に注意を向け、ヒナを囲むようにしています。

水路に嘴を入れ、小魚を挟み、ヒナに与えます。ヒナは嘴を目がけ寄ってきます。かあさん

もとうさんも日頃は捕らないような小さな魚を1匹ずつ挟んではヒナの嘴にもっていきます。

その繊細なこと。大きな魚を捕るとくちばしを振り回し、弱らせてから食べる姿からは想像

ができないほど丁寧に、ソフトに与えています。

水路で魚を捕り、ヒナに与えるのは実に効率の良いこと。ヒナが満足したと見るやゆっ

くり移動をはじめ、隠れ家の葦原に戻っていきます。

スローモーションで歩いていくようで、とてもほほえましい、心温まるタンチョウの夫婦

の気配り。ついほくそ笑んでしまいます。


タンチョウ夫婦が2羽のヒナを連れていました。

2019-06-20 15:12:48 | タンチョウのいる風景
5月26日、渡ってきたシギやチドリを探していると、干潟の奥の方に2羽のタンチョウ
を見つけました。しばらく観察していましたが、同じ場所から動かないので近くまで行っ
てみました。

おばんです。小太郎でごじゃります。



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          ◆  タンチョウが2羽のヒナを連れて  ◆

干潮時で水が引いて、細い水路ができています。ヨシがこんもりした小さな土手から水路
に降りては、また上がっていきます。普段は近寄ると警戒しながら去って行くのに、同じ
場所にいます。

5分して、理由が分かりました。ヨシの中に小さな雛がいたのです。生まれて2日目か、
3日目ほどでしょうか。脚の太さが目立ちます。



両親が小さな魚をくちばしに挟み近寄ると陰から出てきました。茶色のふわりとした綿毛。
よちよちして両親に寄ってきます。親は優しくくちばしをもっていき、ヒナに与えます。



小指くらいの長さの魚を頭の方から飲み込んでいきます。ヒナはがつがつした様子はなく、
ゆったりとしています。そのうち、かあさんタンチョウがヒナを水辺の方へ導きます。



泥の中に潜り込んだ魚を捕まえ、泥を落とし与えるにはヒナが近くにいる方が効率が良い
からです。それにヒナが早く魚を捕ることに興味を示すレッスンをしている感じです。



ヒナはまだ捕る方には興味がなさそうですが、2羽で待っています。親が移動すると後追
いして水路を歩きます。親鳥もまだ周囲に注意を向け、慎重にヒナを見守っています。



        おそらくヒナ育ての中で一番ほほえましい光景です。

アッケシソウ新芽

2019-06-18 15:15:58 | タンチョウのいる風景
アッケシソウの新芽が砂浜の干潟一面に芽吹いてきました。一見、芽の出方が単子葉植物に
見えますが、ふっくらした赤い二葉があり、そこから茎が伸び出してきてます。双子葉植物
の中でもかわいらしい発芽です。

おばんです。小太郎でごじゃります。



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              ◆  アッケシソウの新芽  ◆ 

見た目、赤と緑のもやし。丸々とした赤ちゃんみたいで、おいしそうに見えます。実際、ヨー
ロッパでは野菜として利用されてきました。 



長い船旅で野菜不足になるため、長期保存のきくアッケシソウは利用価値が高かったそうです。
塩味がきつく、他の野菜と混ぜて使うとドレッシングがなくても食べれるので重宝します。

アスパラガスと形か似ていることからシーアスパラガスの名もあります。他にシーピクルスや
シービーンズとも呼ばれます。



新芽を引き抜いてみると、まっすぐに伸びた根が出てきます。潮汐の干満に規定される干潟で
生育するせいで、潮の流れに流されないようにしっかり根付いています。肌がつるつるして水
の抵抗をできるだけ少なくするように丸みを帯びています。生きる進化系です。

日本では1891年に初めて椙山清利により北海道東部の厚岸湾のカキ島で発見されました。その
地名にちなみ北海道大学の宮部金吾によりアッケシソウ(厚岸草)と命名された塩生植物です。



    野付湾では毎年干潟が砂をかぶりますが、それにも負けず芽を出してきます。

コヨシキリ

2019-06-17 23:22:45 | 山野の鳥
今年も、野付半島の草原はコヨシキリの囀りで活気に満ちています。それだけでとっても
嬉しい気分です。一時、コヨシキリの数が減ったように感じた時があり、心配したことが
あったのです。

            おばんです。小太郎でごじゃります。



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              ◆  コヨシキリ  ◆

野付半島から内陸、16キロ離れた我が家の裏にあるタワラマップ川の河川敷にあるヨシ
に囲まれた小さな池に、毎年来ていたコヨシキリが姿を消したのです。

ちょうど中国で越冬するシマアオジの生息数が急減したことが気になっていました。気に
なり野付半島の草原に渡ってくるコヨシキリの個体数を範囲を区切り、調べました。



それまでの資料がなかったのでとりあえず数を調べ、毎年の調査を続けることにしました。
5年ほど資料をためれば、きっと見えてくると考えたのです。

40年前に京大の研究者が野付半島で調査をした資料を見せてくれたことがあったので参
考にしました。

場所が特定できませんでしたが、当時に比べると確かになわばりの面積が大きくなっている
様子でした。数が少なくなってるような気がしました。



コヨシキリは東南アジアで越冬する鳥です。根室地方では普通に見られる草原の鳥です。
が、本州では中部地方から以北でしか見られない種です。

毎年環境が変化してくるので、棲息地が減少していることは確かです。越冬地の様子は分
かりませんが、とても心配しています。



しかし、ここ3年前から囀るコヨシキリの数が増えてきました。囀るのは縄張りの主張な
ので、鳴きあっている個体を把握できると増えてきたかどうかぐらいは推定できます。

いなかった場所で囀る個体を見つけると、増えてると実感できるのです。繁殖に向いてい
なさそうな場所で囀るコヨシキリは希望の星だと思って、拍手を贈ります。

早朝の囀り、日中の囀り。なわばり形成期のコヨシキリはみんなを愉しませる、草原のエ
ンターティナー。