窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

若ワシ、集合

2021-04-24 17:35:35 | ワシのいる風景

ニシンの群れが野付半島の周りを回遊しています。それを狙いワシたちが集

まってきています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

             ★ 若ワシ、集合 ★

定置網が設置され、毎日水揚げが行われているようです。6年前ぐらいから

ニシンの群来が見られるようになりました。

北海道のニシンには遺伝的に5系統のニシン群がいて、野付半島のニシンは

風連湖群系で根室海峡の中で羅臼から根室の範囲を回遊しているそうです。

4年前、大群が押し寄せ定置網に大量の卵を産みつけたことがありました。

その時、産卵しているニシンを空中から狙いワシたちがカモメのように群れた

ことがありました。

それ以来、ニシンの群来が起こるのを期待しているのですが、見ることがで

きません。ニシンは定置網に入り水揚げされています。量は多くないようですが

ニシン以外の魚、アメマスやサクラマス、カジカなどの雑魚が入ってきています。

多くは浜に投げられ、ワシやカモメにプレゼントされます。

それを目当てに多くのワシたちが集まってきています。道路からはまったく見え

ないので、ワシの動きを見ながら浜に向かいます。

当たるも八卦。多くはもちろんはずれ。チャンスは突如起こります。無神経で

近寄ると先に気づいたワシたちがワッと一斉に飛び立ちます。しまったと思っ

ても後の祭り。50羽以上集まっていたワシたちがばらばらに飛び去ってしまい

ます。

せっかくのチャンスだったのに、とがっくりします。

ワシたちの多くは若いワシたちで成鳥は全くいません。オオワシ、オジロワシ

たちの成鳥はすでにカムチャッカ半島に渡って行っています。

綺麗なワシは1羽もおらず、茶褐色の羽色をした若者ばかりです。

魚が転がっていればすぐにでも戻ってきます。周辺の草地には散って行ったワシ

たちが降りてこちらの様子を窺っています。

しばらく離れ、1時間以上おいて再度挑戦してみました。


夏鳥、ウミネコが帰ってきました。

2021-04-22 14:51:45 | カモメ類

ウミネコが帰ってきました。野付半島では春から秋まで棲息する夏鳥です。

1980年ころにはほとんどいませんでしたが、2000年に入ったころより増えて

きました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

         ★ 夏鳥、ウミネコが帰ってきました ★

ウミネコが増えてきた理由は根室海峡に入ってくるイワシやイカ、イカナゴなど

の群れと関係していると思いたい。

5月から6月にイワシが野付湾に大量に入ってきます。水面下に黒い塊が移動して

行く様子はどっきとします。ゴジラ世代はゴジラが泳いできた、とつい想像して

しまいます。

夏季は冬季にいた大型カモメがほとんどいなくなります。浜辺で休むカモメは

ウミネコだけになります。知床半島や国後島には繁殖地がありますが、野付半島

周辺にウミネコが繁殖するような環境がありません。休息に集まる浜になって

いるのです。

5月から6月はオーストラリアやニュージーランドで繫殖したハシボソミズナギ

ドリが根室海峡に数百万羽押し寄せてきます。オキアミや小魚が大量にいるか

です。

ウミネコたちもこの魚の群れを追いかけています。成鳥はすでに繁殖地周辺に

集まっているようですが、若者たちは干潟に集まっています。アマモの中で育

っている稚魚の群れを追いかけているようです。


エゾアカガエル、産卵

2021-04-21 21:09:41 | 根室の風景

エゾアカガエルが野付半島の湿地で鳴いていました。砂嘴と砂嘴の間にできた

湿地。すでにかわず合戦がピークを終えたようで卵塊がふっくら膨れています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

           ★ エゾアカガエル、産卵 ★

野付半島のカエルたちは危険が多すぎます。タンチョウが来て狙います。オジ

ワシが来ます。カラスも来ます。ウミネコも来ます。

特にタンチョウにはたくさん食べられているようです。エサが少ないこの時期、

タンチョウにとって自然からのプレゼントみたいなもの。

警戒心が強くなるはずです。近寄るとすぐに鳴き声を止め潜ってしまいます。

じっとして待ってみても出てきません。

北海道に棲むカエルはエゾアカガエルとニホンアマガエルのみ。1991年に染色

体数から独立種であることが分かり正式に学名を授けられました。

キャラララとかわいらしい声で鳴きますが、産卵の時期にしか鳴くことがない

観察しづらいカエルです。トノサマガエルに比べると静かなカエルです。

卵塊のゼラチンはすでにたっぷりと水を吸い込み、1個1個のたまごがハッキリ

しているので1週間前あたりから産んでいたようです。

息絶えたカエルが白くなってきたのから推定してみました。


あぶり出し

2021-04-19 19:44:43 | ワシのいる風景

カモ類が北上してきています。ヒドリガモやオナガガモが多くなってきてい

ます。彼らを狙い近くにオジロワシが張り付いています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

             ★ あぶり出し ★

本州各地で越冬してきたカモ達。野付湾にやってきてひと月くらい滞在し、体

力を回復していきます。好物のアマモや昨年に実った草の実を食べ、栄養を補

給します。

野付湾ではカモいるところには必ずオジロワシが集まります。大方は若いオジ

ワシです。大人のオジロワシに比べると狩りはけっして上手くありません。

それでも近くに降り立ち、チャンスがあればカモたちを狙います。オジロワシ

定期的に飛び立ち、カモを飛ばせます。近くにいて飛び出すのでカモたちは

落ち着いて飛び上がり逃げていきます。けっして慌てるようなことはありませ

ん。

オジロワシの狙いは体力的に弱っている個体やケガをしていて動きが鈍い個体

を炙り出すことにあるようです。

健康なカモは追いかけることはありません。無駄な努力はしないようにしてる

ようです。見つけたら急速にスピードを上げ、追いかけます。

滅多に見ることはありません。じっと粘るオジロワシをつい応援したくなる時

あります。


旅だちの朝

2021-04-18 19:33:14 | オオハクチョウのいる風景

内陸のデントコーン畑や牧草地で一時生息していたオオハクチョウたち。

晴天の朝、野付湾に大集合していました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

             ★ 旅立ちの朝 ★

本州と北海道をすっぽり覆った高気圧が3日間、晴天をもたらしてくれました。

気温が高く、2週間以上早く季節が進んでいると思います。鳥たちもこの変動に

反応してるように感じ、早朝から野付湾に出かけました。

快晴無風。等圧線の間隔は広く、ロシアに向かう鳥たちには好条件になりまし

た。

オオハクチョウが予想通り、湾内のあちらこちらに集団になって集まっていま

した。

途中、集団が鳴きながら知床半島方面に飛んでいくのを見かけました。間違い

なく渡りが始まっています。湾内の群れがいつ飛び出して行くか、わくわくし

ながら車で探して移動します。

亜種ヒシクイの小さな群れが湾内から飛び立ち、国後島方面に飛び出して行き

ます。コクガンの群れが上空高く飛び出して行きます。やはり早いが、間違い

なくガンやカモの渡りが始まっているようです。

オオハクチョウの500羽近い群れが集まっているのを見つけ、近寄ってみました。

アマモを食べてくつろいでいますが、群の様子はそわそわ感が漂います。

岸辺に寄ってきて真水に近い海水を飲んでいますが、落ち着きがありません。

ただまだ渡りに出す気配を感じません。渡り出す前は頭を高く上げ上下に首を

振り出します。家族単位の群れが集まり出し、水面を移動しだし、鳴き交わし

ます。いつ始まるか分かりません。その瞬間をじっと待つのも愉しまなければ。

9時過ぎになり、ようやく30羽ほどの群れが旅立って行きました。

しかし他のオオハクチョウたちは同調しません。ゆったりしています。

きっと明日の朝の方が可能性が高そう。午後になっても他の個体に飛び出して行く

気配がありませんでした。