大好きだった11才年上の姉は、中学卒業後、
住み込みで働きに行ってしまい、家には2人だけでした。
『春や秋は、麦や稲の落穂拾いをしたんだ。「美味しい麦焦がしを作って上げるね」とか、「この稲を粉にして美味しい団子を作って上げるね」などと言ってね~。幼稚園頃だったと思うけど、何時もの様に、近くの田んぼに落穂拾いに出掛けたんだ。農家の人達が帰る夕方頃を見計らってね。一生懸命拾っていたら、1人の男が近付いてきた。多分、山田と云う人だと思う。「あんた達は良いね~、拾うだけだから」って言われてね~。その時の悲しみと怒りと入り混じった母の顔は今でも思い出される。「自分達が拾わないから拾っているのにね、行こう!」って、手を引っ張られて立ち去った。それ以後は、夜、韮山まで歩いていき拾った。タニシも拾いに行って煮て貰った。あれ美味いんだけど、もう見かけないね~』
『作らないで拾うだけって事ね』と妻。
小さいながらもこの時、
大きくなったら母を楽にして上げたいと、強く心に決めました。
母の掃除のお陰で、枯葉も落ちていない、北側の通路
住み込みで働きに行ってしまい、家には2人だけでした。
『春や秋は、麦や稲の落穂拾いをしたんだ。「美味しい麦焦がしを作って上げるね」とか、「この稲を粉にして美味しい団子を作って上げるね」などと言ってね~。幼稚園頃だったと思うけど、何時もの様に、近くの田んぼに落穂拾いに出掛けたんだ。農家の人達が帰る夕方頃を見計らってね。一生懸命拾っていたら、1人の男が近付いてきた。多分、山田と云う人だと思う。「あんた達は良いね~、拾うだけだから」って言われてね~。その時の悲しみと怒りと入り混じった母の顔は今でも思い出される。「自分達が拾わないから拾っているのにね、行こう!」って、手を引っ張られて立ち去った。それ以後は、夜、韮山まで歩いていき拾った。タニシも拾いに行って煮て貰った。あれ美味いんだけど、もう見かけないね~』
『作らないで拾うだけって事ね』と妻。
小さいながらもこの時、
大きくなったら母を楽にして上げたいと、強く心に決めました。
母の掃除のお陰で、枯葉も落ちていない、北側の通路