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http://go2senkyo.com/articles/2016/04/25/17782.htmlより転載
【北海道5区補選 分析レポート】自民党を苦しめた候補者と新しい勝手連、「野党共闘」は手探り
注目の衆議院北海道5区補選は、大激戦の末、自民党公認の和田義明氏(44)=公明党、日本のこころを大切にする党、新党大地推薦=の当選で幕を閉じた。無所属の池田真紀氏(43)=民進党、共産党、社民党、生活の党推薦=は善戦むなしく、総力を上げて弔い合戦にのぞんだ自公に惜しくも敗れた。
和田義明 自民 新 135,842票 当選
池田真紀 無所属 新 123,517票
勝率9割の選挙で起きた波乱
各社の情勢調査を見ると、和田氏は期日前投票では池田氏に勝っていた。街頭演説や個人演説会でもクドいほど「ぜひ、期日前投票に行ってください」と応援弁士や司会者などが言っていたので、まずは期日前で稼ぐという戦略は成果があったと言える。そして、開票日午前中の出口調査では、イーブンか和田氏優勢となったところが多かったので、組織票がここで動いていたのだろう。
ところが、午後になって状況が変わってきた。池田氏が巻き返してきたという調査報告が出てきたのだ。この伸び次第では結果がわからなくなった。
「弔い選挙」は勝率が9割以上にのぼるという。今回は町村信孝・前衆院議長の死去に伴う弔い選挙となるので、自民党は負けるわけにはいかなかった。総力を結集し、北海道に送り込まれた議員秘書たちは200人以上だったとも聞く。そして連日の大物議員の応援。熊本の震災も和田候補にとっては追い風となった。震災を選挙に結びつけることは不謹慎だと思われるかもしれないが、あきらかに震災と自衛隊を危機管理の象徴として、応援弁士も積極的に取り上げていた。そして徹底した共産党や北教組批判。それだけ自民党にとっては負けられない戦いだったのだ。
結果は、札幌市厚別区、江別市、石狩市、北広島市では池田氏の得票数が和田氏を上回ったが差は少なく、千歳市、恵庭市、当別町、そして新篠津村は和田氏が勝った。特に自衛隊駐屯地がある千歳氏・恵庭市で池田氏が和田氏に大きく差をつけられたことと、期日前投票での差が決め手となった。
写真:HTB(北海道テレビ)と朝日新聞は合同で特設サイトを作った
大選挙団をヒヤヒヤさせた池田候補と野党連合 しかし課題も
勝率1割以下の選挙に臨んだ池田氏は、負けたものの、善戦といえる以上の戦いで自民党大選挙団をヒヤヒヤさせた。これは候補者本人の資質がほとんどだ。手探りの野党共闘もなんとか成果を出したが、問題点も多かった。告示前には、世論調査で池田氏が和田氏を抜いたときもあったのだ。震災を機に逆転を許してしまったが、戦略次第ではまだひっくり返せる可能性はあった。
震災後、明らかに和田陣営は政権与党の危機管理能力を重点的にアピールし始めた。応援に入った自民党有力国会議員も繰り返し自衛隊を褒め称え、和田氏は「自衛隊のみなさまに奉公したい」とまで言っていた。
それに対し、池田氏の支援者の一部は、演説のときに繰り返し「戦争法廃止」を訴えており、奇抜な応援で道行く有権者が顔を背けることもあった。池田氏の主張よりも、自分たちの運動の方を優先しているように見えたのだ。
『でんわ勝手連』というソーシャル・ボランティア
私が北海道から戻ってきた20日(木)の時点では、明らかに和田氏陣営の方が勢いはあった。小泉進次郎議員の圧巻の演説であふれるほど集まった観衆を前にして「勝負は決まった」かに見えた。
しかし、そこから全国の池田まき応援団の盛り返しが始まった。「でんわ勝手連」という、ボランティア電話かけが始まり、全国から北海道5区の有権者に電話をかける運動が始まったのだ。これは3万件を目標に始まり、最終的には5万件を超えたという話もあった。にわか勝手連のため、マニュアルがあっても間違ってしまい、逆効果になったり、ネット上では電話をかけるボランティアの年齢確認を指摘するものも出てきたりしたが、新しい市民運動型選挙の方法と言えるのではないだろうか。
写真:「でんわ勝手連」はFacebookなどのSNSを通じて拡散された
今回、この「勝手連」が活躍したわけだが、「勝手連」は、もともと横路孝弘北海道知事の1983年の選挙のときに生まれたもので、もちろんこのときはアナログな手法だけの運動だった。そして2000年の長野県知事選において、インターネットを主体とした新しい勝手連の姿「デジタル・ボランティア」が生まれた。今回の「勝手連」はさらに発展した「ソーシャル・ボランティア」と呼べるものだった。
池田候補の「勝手連」にはアナログからデジタルまでいろいろなタイプがあり、中には票を減らしてしまうのではないかと思えるようなものもあったが、新しい時代の市民運動型勝手連も出てきて、一定の成果を上げたことは注目に値する。つまり、負けはしたものの、今後の野党共闘や若者参加の選挙に大きな可能性が生まれたことは意識しなければならない。
与野党双方に大きな成果と課題
今回の選挙で、野党が協力して、そこに若者を中心とする新しい波を効果的に入れれば、候補者次第では互角以上の戦いができることがわかった。しかし、このままでは候補者頼みの選挙を繰り返し、同じ結果となってしまう。「野党共闘」は好き嫌いを言い合う段階から、運営方法を検討していく段階に入った。選挙結果を詳細に分析し、今後につなげていくことが参院選での野党巻き返しに繋がる。
与党としては勝てる可能性の高い選挙であっても、傲慢に組織を固めていくのではなく、有権者の側に立ったきめ細やかな政策を丁寧に説明していくことの大切さを認識したはずだ。党の総力をつぎ込んだ弔い選挙で、鈴木宗男父娘の協力も得ながら、前回の町村氏と民主+共産のとの得票差を7千票程度しか広げられなかったことは、負けに近い結果であり、今後詳細な分析が必要だ。
北海道の激闘は、九州で起きた震災に影響を受けながら、大きな成果と大きな課題を残した。
北海道5区現地レポート
≫【現地レポート】激闘!北海道5区補選は異種格闘技(前編)
≫【現地レポート】激闘!北海道5区補選は異種格闘技(後編)
≫【現地レポート】激闘!北海道5区補選(番外編)夜の情勢調査