沖縄巡り不適切発言 後日現地取材し報告へ
https://mainichi.jp/articles/20180119/k00/00m/040/090000c
2018年1月18日 20時36分(最終更新 1月18日 21時36分)
毎日放送(MBS)は18日、昨年末に放送した同社のラジオ番組で沖縄の米軍基地反対運動を巡り、パーソナリティーの近藤光史氏(70)に不適切な発言があったとして、近藤氏に改めて沖縄の現地を取材して番組内で報告してもらうとの方針を示した。近藤氏は既に番組内で謝罪している。
18日の同社の新春記者会見で三村景一社長が明らかにした。同社によると、番組は昨年12月26日放送の「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」(月~金曜午後0時半~)。近藤氏は私見として「中国や韓国の勢力が、内部から日本を分断しようとしている」とした上で、こうした勢力が基地反対運動でも活動し「純粋に反対運動をしている人は少ない」といった趣旨の発言をした。
近藤氏は翌日の番組で「純粋に反対運動をされている方々を否定するような、思いを傷つけるような表現があった」として謝罪。三村社長は「討論番組とは性質が違い、発言はバランスを欠いていた」としている。近藤氏はMBSの元アナウンサーで、関西を中心にテレビやラジオ番組で活動してきた。【村瀬優子】
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MBSラジオ『こんちわコンちゃんお昼ですよ!』で流された沖縄デマ - ラジオパーソナリティー近藤光史氏の発信内容への質問書
あまりにひどい放送内容だという声がよせられました。
FB で話題となったその番組内容が youtube にあげられているのでご確認ください。
MBSラジオ『こんちわコンちゃんお昼ですよ!』の12月26日の内容です。
公共の電波を使って近藤光史氏が発信された内容について、以下に検証し、その下に、近藤氏及びラジオ局 (MBS) への質問書を記載します。
(近藤光史)けどね、そんなことで、そんな甘い国じゃないですし、そいで日本の戦後を、敗戦、ま、戦争で負けて、そっから立ち上がって、今の経済力をもって、あのー、世界に出ていこうとする日本という所になるまでの間に、やっぱり、その、いっつもいるのは、中国とか韓国の勢力、裏勢力の人間が日本の中に入ってきて、で、あの、ニッポンの中で、政府とかね、まー例えば自衛隊とかですね、そういうものと国民を切り離そうとする、つまり国民と自衛隊を敵対関係にする、政府と国民を敵対関係にする、
(太平サブロー)そら、力持たれたら困るからなー
(近藤光史)そう、それが日本の中バラバラになる。それを目的として、活動している団体ってのはいくつもあるです。
(シルク)うーん。
(近藤光史)で、だから、だから皆さん、あれなんですよ、ほんとに、僕ほかの、あの、新聞とかあんなんが言わなあかん、敢えて僕いいますがね、これ私見です、私の考えという事にしといてください。
(シルク)コンちゃんの考え、はい。
(近藤光史)あのね、つまり、何かあるたんびに、沖縄で基地反対とか帰れとか、ね、これどうのこうっていいますけれども
(太平サブロー)言う人いるね
(近藤光史)言うてる人らいっつもいるんですが、あの人たちは、ずっと調べていけば判りますよ、おんなじ顔の人が何人もいるんです。
(太平サブロー)はい。
(近藤光史)つまりおんなじ人物がやっているんです。で、おんなじ組織から派遣されてやっているんです。で、同じようなバックボーンも抱えているわけです。え、つまり日本政府の中で、反日、つまり、日本が悪いんや、日本が悪い、日本がいかんのや、日本の考えることは全部悪いっていう風に持っていて、ニッポン国民と政府、国民と自衛隊、国民とその、アメリカ、というものを切り離していこう、切り離していこうとする、勢力がずっとあるんです。
(太平サブロー)うん。
(近藤光史)で、そうしてニッポンを混乱させることを目的として、(沖縄で反基地活動を?) やっている団体と言うのが数団体あるんです。
(シルク)ま、そちらもあるし、純粋にね、やっぱり反対っていう方も勿論ね
(近藤光史)や、そらもう勿論そういう方もいらっしゃる、(純粋に基地反対をやっている人は?) ただ数が少ない、そういう人は。
(太平サブロー)そういう、そういう風な声高に挙げてる人の中に、そこの勢力が
(近藤光史)そうです、(裏の勢力が?) 入っていっているんです。
(太平サブロー)かなり力をもってやっているいうのは、僕も聞きます。
(近藤光史)もうね、万を数える人がいるんですよ。
(シルク)もうねー
(太平サブロー)ほんでー純粋の沖縄の、その、基地の近くに住んでて
(近藤光史)そうそう。
(太平サブロー)その行動をとっている人もいるよ。
(シルク)うん、ねえ。
(太平サブロー)ほいで、実際沖縄の、ほんとに子供の時からこれ何とかしないとあかんと言う人いっぱいいる、だけどそうじゃない勢力の人が今多くて、動いてきているというのも事実
(近藤光史)そうそう。
(太平サブロー)というのも知っとかないといけない。
(近藤光史)だからね。あれはね、(沖縄で) 必ずなんかそういうことあるとね、反政府とか反権力って言う形で、その、日本人をその、ね
(シルク)分断して
(近藤光史)怒らせてばらばらにしようという、常にそういうことをやる勢力ってあるんです。つまりこの国をばらばらにしたいとか、この国が、あの、力を持たないようにしたいっていうことを常に考えている、他所の国の勢力がいる訳です。
(シルク)うん。
(近藤光史)でこれがね、皆さんがほんとうに、いないと思っている。それ何でかって言うと、普通の、あの、4大新聞とか5大新聞とか言われているような大手のマスコミは絶対言わないから。そういうのは現実にあるにもかかわらず言わない。何でかって言うと、その証拠を探そうとして色々やっていくと、いろんな妨害が出てきてですね、出来なくなる。
(太平サブロー)だからコンちゃんね、コンちゃんこの意見凄い意見言うてると僕思うてんねん、コンちゃん覚悟がないと
(シルク)ほんまですねえ
(太平サブロー)これはなかなか言えない意見でね、私見やとあえてね、入れてね、”毎日放送で”じゃない、俺の意見やーて言うてるから、かなり覚悟な意見ですよ。
(シルク)うんうん
(太平サブロー)でも僕も聞きますし、え、だからそれは、だからどや!とかや無いよ、それを惑わされない知識をもつということが僕らは大事と
(シルク)ですねえ
(近藤光史)そう、これがね、(沖縄で) そういう風にして声高にね、少数であっても声高にプラカード持って集まってだーっと行っているとですね、カメラのサイズによるとですね、もの凄い数が集まったように見えるんです。
(シルク)うんうん。
(近藤光史)でもそういう風にすることによって、何が得するんや?ったら、彼ら (沖縄県民?) は得するかもわからんけど、日本国民は損するんですよ。
(太平サブロー)トータルはね。
(近藤光史)だからその、日本国民としてのね、皆さんは自信と知識を持って頂きたい。だからそういうものに動かされてね、やっぱりあの人らの言うような、たいへん、その通りや、もうアメリカは日本から出て行ったらええねん、もし日本からアメリカ軍が撤退したらどんなことになるかですよ
関西には三年前にできた小さなバンドレーダー (0.035 km2)) 以外、ひとつも米軍基地がないことを棚に上げて、なぜ沖縄に膨大な基地を置くことを問わずして、沖縄があたかもわがままで騒いでいる、あるいは裏勢力が入って騒いでいる、といった論になっていくのでしょうか。根拠なき「裏の勢力」などと言った排外主義と沖縄の反基地運動を関連づけて語ることは、沖縄の歴史と現在を無視した残虐で無神経なデマでありヘイトです。
番組のなかで近藤光史が語られた内容について、沖縄ヘイトを考える会では、以下の通りの質問と要望書を送ります。
質問① 近藤氏が語る、中国や韓国から日本に入り込んでいる「裏の勢力」、沖縄反基地運動につながる「勢力」、とは具体的に何を指しているのか、明確にお答えいただきたいということ。
質問② 近藤氏が語る、沖縄の反基地運動の「同じ顔」、「同じバックボーンをもつ」、「同じ組織から派遣されて」、「万を超える人たちがいる」とは、誰のことで、どのような組織なのか、お答えいただきたいということ。
質問③ 近藤氏が、どのようにこの「裏の勢力」を「調べていった」のか。実際に沖縄にきて調査されたのか、それとも既出の調査に基づいての発言か、そのソース (情報源) を明示していただきたいということ。
質問④ 近藤氏は「何かあるたんびに、沖縄で基地反対とか帰れとか、ね、これどうのこうっていいますけれど」と語っているが、日本の国土の0.6%にみたない沖縄県に70.6%もの米軍基地が押しつけられ、米軍関連の事故や事件が多発、そしてそのたびに心無い中傷やデマもよせられる。今現在のことで言えば、普天間で二週連続の落下事件に関し、その被害にあった保育園や小学校や父兄が声をあげていることに対してたくさんのデマや中傷が寄せられているが、今回の近藤氏の発言はこれに関して言及しているのかどうかということ。
質問⑤ 近藤氏は、実際に辺野古や高江の人々の座り込みの現場を見てきてこのような発信をしているのか、沖縄の過重な基地負担と、永年の反基地運動で復帰や土地返還運動をしてきたことを知ったうえでの発言なのか。
提案① 近藤氏は沖縄反基地運動に対するヘイトとデマを公共の電波で拡散する前に、いちど沖縄の現実、普天間基地や辺野古や高江の現場を実際に取材にきていただけないだろうか。
提案② そのうえでもう一度、現地の真実を検証したうえで、同番組内で再度、沖縄に関するレポートを発信していただきたいと強く要望する。
今、まさに沖縄は米軍基地を押しつけられているだけではなく、圧倒的なデマとヘイトの標的にされている。そんななか、今年報道された MBS の『さまよう木霊』は、蔓延する沖縄フェイクニュースの画期的なファクトチェック・ドキュメンタリーとして数々の賞を受賞、そして多くの心無いデマと中傷をむけられている人たちを勇気づけた。そんな MBS だからこそ、自社内でしっかりと検証し、対応してほしいと願うものである。
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