ジョンとポールは新たな旅に心が躍り、東へ東へと向かった。
途中、いろんな事件に巻き込まれながらも、毎日が楽しくてしょうがなかった。
様々な国を通り抜け、一年が過ぎたところで、やっと別の世界に行けるという情報を得ることができた。
生命の泉なるものが存在し、そこに浸かれば、もう一つの世界の自分たちに融合できるという。
二人は深く考えず、やってみることしか考えなかった。人生一回きり、何でもやってみないことには始まらない。
二人は野宿しながら、一年ぶりに、somethingのことを思い出していた。
ポールがジョンに話しかける。
「あの時、天女がsomethingを僕達が見つけたって言ってたけど、結局somethingは多分、生きている価値とか充足感みたいなものではないのかなと思うのです。
あの山での出来事以来、生きる素晴らしさとか何か不可能と思えることに挑戦したい気持ちが心の底から湧いてくるのです。
毎日がそういう気持ちで満たされています。
天女が人間のために創造したもの、人間を堕落させるのが目的である悪魔にとって都合が悪いもの、しかも僕達があの旅を通して得たものですから、そんなものじゃないかなって気がするのです。」
ジョンが微笑みながら言う。
「大体そんなところです。実は僕は、あの後、夢の中で天女に会って、somethingが何であるのか聞いたのです。
実際、僕達は毎日が満ち足りていて、ポールは興味ないだろうと思い、話しませんでした。
実は、夢の中で天女に聞いたことを書き留めているのです。
せっかくだから見てみますか?もうあんまり興味はないでしょうけど…」
そう言いながら、ジョンは一枚の紙をポールに手渡すと、眠ってしまった。
ポールはその紙を見ることなく、ポケットにしまい、明日からの冒険に心踊らせながら、目を閉じた。
終わり
SOMETHING
9文字に隠された意味を知らずに実行できた人間が、本当の幸せ、人生の意味、生きる価値をどんな人よりも見いだすことができる。
S、自らが犠牲sacrifceとなり他人のために最善を尽くすこと。
O、どんな状況でも前向きoptimismであること。
M、苦しんでいる人に慈悲の心mercyを持つこと。
E、夢中になるものenthusiasmを持つこと。
T、誘惑に負けず、真実truthを見抜く力を身につけること。
H、苦難hardshipの道を選択し、それに立ち向かうこと。
I、自分を信じ、迷った時は、直感inspirationに従うこと。
N、精神の質の上昇nobilityがあること。
G、他人や自分の人生に心から感謝の気持ちgratitudeを持つこと。
読んでくれた人、ありがとうございました。
あなたにもsomethingが見つかることを願っています。
Be brave to everything.
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