2月が終わろうとしている。僕たちの職業では入試を待たず、新年度が始まる。
しばらくは現中3生と新中3生という言い方をする。
今日、最後の実戦テストが終わった。
入試が終わるまで緊張感をとぎらせないように、しみじみした話はしない。
合格して、それから喜べばいい。
寂しさが込み上げてこないのは、まだまだ気持ちが切れていない証拠だと思う。
そんな気持ちで家に帰り、吉永小百合主演の「母べえ」という映画を見た。
日中戦争から太平洋戦争にかけて、逞しく生きる母と娘たちを描いている映画で、涙が止めどなく流れた。
こんなに涙がこぼれた記憶がない。
人は涙を流すと悲しくなる。
優しい気持ちになる。
授業、特訓、質問受け、ちょっとした会話…
いろんな思い出が走馬灯のように通りすぎて、また涙がこぼれてきた。
僕なりに一生懸命頑張ったのだと思う。
正直、何度も燃え尽きようと思った。これで綺麗に終わりにしようなんて自分勝手なことも考えたりもした。
それでもまだまだ頑張れる気がしてならない。
僕は戦争は経験していないが、映画の中のあのたまらない時代に比べれば何と自分の幸せであることか!
明日からも精一杯生きようと思う。
人のために生きようと思う。不器用だけれど、やはりそれしかできない。
必要とされなくなるまで、やれるだけやってみよう。
やはり方向転換は僕には難しい。
自分の信じる道を生きれば、社会に淘汰されるかもしれない。
それでも是非に及ばず。
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