夢を見ていた。
日向の街に見たこともないくらい豪華なメキシコ料理店がある。
食通の知り合いに連れられて、その店に入ると、極楽のような場所だ。
チキンを食べると信じられないくらい旨い。
ワインを飲みながら、店にいるみんなと盛り上がる。
気分よく店を出ると、今は高架になっているが、昔は踏切だった場所が見える。
踏切はもうないはずなのに、遮断機が下り、電車が目の前を通る。
頭が混乱する。
振り返ってみると、さっきの店はもうない。
夢に違いない。
そう思い、知り合いに尋ねてみると、夢だという。
夢なら、何でもできる。
ワクワクが止まらなくなり、これからという時に目が覚めた。
午前5時、目が覚めて、がっかりした瞬間だった。
そのまま6時まで眠ったが、夢を覚えていない。
その間、続きの夢を見て、何か素晴らしいことを成し遂げたと信じたい。
そんな夢で始まった1日。
授業も5つあり、結構しんどかった。
中3の裁判の授業が自分の中では楽しかった。
放課後の面接の練習もまた、生き甲斐になっている。
数えると21人の面接のお願いがあった。
頼りにしてくれて、ありがたい気持ちでいっぱいだ。
今日も帰りの車の中はきつかった。
窓を全開にして、山路を通ったせいか、親指くらいの小さな小さなカマキリが車の中に迷い込んでいた。
ダッシュボードの上を行ったり来たりしていて、信号待ちの度に逃がしてやろうとするが、こんな日に限って、信号がすぐに青に変わる。
門川の交差点で、信号が赤に変わった。
好機到来。ネクタイを伸ばし、ネクタイの上にのったところで、外に逃がす算段だった。
悲しいことに、ネクタイに驚いたのか、ダッシュボードの小さな空気孔の中に落ちてしまった。
ショックを受けながら、日向の街を走っていると、ダッシュボードの上にカマキリがいる。
這い上がったのか、完全に落ちていなかったのかわからない。
家に着いた。
駐車して、ドアを全部開け、黙って10分見守った。
ようやく外に出てくれた。
めでたしめでたし。
自分がこのカマキリだったらなんて、考えてしまう。
中3の授業で、日本の死刑制度について触れたりしたからかもしれない。
虫一匹の死についても過敏になってしまった日であった。
今日で10連勤目。
あと3日で、休みがやってくる。
休みはマッサージに行こうと思う。
がんばろう。