[新訳]方丈記 乱世を生き抜くための「無常観」を知る | |
左方 郁子 | |
PHP研究所 |
今日は職員室移動やら、会議やらで忙しい日であったが、心に爽やかな風が吹いている。 職場から見える桜も満開になっていて、それはそれは美しかった。 あと何回、この桜を見ることになるのかわからないが、今日見た桜と同じ桜を明日再び見ることはできない。
話が変わるが、父が亡くなるちょっと前、ベッドに寝たままで、東から昇る満月を見たがっていた。 カーテンを開け、しばらく眺めていたようだった。 もうカーテンを閉めていいというので、無機的に閉めてしまったが、父はあの時が満月を見る最後の機会だとわかっていたのかもしれない。真相はわからないが、生きているうちに幼い時から眺めていた満月をしっかり目に焼きつけておきたかったのだろう。
元気であること、普通に生活できることがいかに有難いことであろうか。 今のうちに、精一杯人生を謳歌しよう。