賞状を持つ中田さん(左)と宮路さん(後の映像が作品の一場面)
和歌山大学国際観光学研究センターと摂南大学で構成する実行委員会主催の第1回日本国際観光映像祭が13日と14日に大阪市の大阪工業大学で開かれ、日本部門の「文化財・宗教・巡礼」部門で御坊市名屋町、(有)中田鶏肉店専務の中田直希さん(43)がつくった「日本の美しき伝統祭~御坊祭り2018PV風」が優秀賞に選ばれた。ドローン映像や最新技術を駆使した作品が多い中で、人にスポットを当てた映像が「感動した」と高い評価を受けた。
日本へのインバウンド観光客が大幅に増加している中、日本の観光振興のためには「より良い観光映像が必要」と、木川剛志・和歌山大学観光学部准教授が総合ディレクター、代表を務める実行委員会が主催し、和歌山大学観光学部が共催、観光庁などが後援する初の映像祭を開催。日本、国際両部門に国内外からプロモーション映像(15分以内)とコマーシャル映像(1分以内)200作品以上がエントリーした。
日本部門は「観光誘客」「文化財・宗教・巡礼」「スポーツツーリズム」自然・農村・山村観光」など8部門あり、うち「文化財・宗教・巡礼」は最優秀賞に和歌山観光プロモーションビデオ、優秀賞に中田さんの「御坊祭」など2作品が選ばれた。中田さんは、(株)宮路製材所=御坊市島=役員で市議会議員の宮路雅仁さん(55)が制作しているインバウンド用の御坊祭プロモーションビデオ(PV)の監督・編集・撮影を担当しており、この映像の一部を映画祭に出した。
作品は、昨年の御坊祭で東薗組四つ太鼓の乗り子の化粧や着付けの様子を、きれいな映像と音楽で編集した約4分間の映像。中田さんは「御坊祭は美しい祭りということを、より多くの人に知ってもらいたいと思い、人にスポットを当てた感動してもらえる映像、心にぐさっと突き刺さる映像を心掛けた。日本アカデミー賞監督の作品や最新技術を駆使した作品が多数エントリーされる中、入賞は難しいと思っていたが、審査会場で映像を見た人たちから『わぁー』と驚きの声が上がるのを聞いて、うれしかった」と話した。
御坊祭のプロモーションビデオは、インバウンドの流れを御坊にも引き寄せようと、宮路さんが中田さんに依頼し、スタジオパートスリー、ライトスタッフ、杉本卓治氏(祭具師)、サンクリエーション、サンホームクリーニングの協賛で制作中。昨年10月5日の本祭で9組ごとに四つ太鼓乗り子の着付けや化粧の様子から四ツ太鼓や獅子舞の宮入り、のぼり差しなどの様子を撮影。外国人観光客を意識した映像と音楽を中心に構成し、1組につき3~4分に編集し、総収録時間は約45分。
完成後、関西国際空港はじめ市外や県外のショットバーなど外国人観光客が訪れそうなところで流してもらえるよう働きかける。宮路さんは「私も審査会場に行って、いくつかの作品を見たが、中田君がつくった映像が一番良かった。プロモーションビデオは近く完成するが、今回の受賞はその活用に大きな弾みがついた。外国人観光客は祭りを好きな人が多い。御坊祭に興味、関心を持ち、御坊を訪れてほしい」と話した。
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