起立(賛成)5人で削減案は否決
年明けの1月13日告示、20日投開票の御坊市議選(定数14・欠員1、任期満了1月25日)を目前に控えたサヨナラ議会(12月定例議会)は19日に閉会。上程議案20件、追加議案9件を原案通り可決したあと、注目の定数14を2削減する条例改正案が議員提案され、採決の結果、賛成5人、反対7人の反対多数で否決された。18日に開いた市議選立候補予定者説明会には定数ちょうどの14陣営の出席しかなく、市政史上初の無投票がさらに濃厚になった。
定数削減は、山田勝人議長が人口減少や行革、将来の市町村合併を視野に12日の議会運営委員会で議論を求め、13日の全員協議会で意見を聞いた上で、賛成派の西本和明議員が19日の本会議で山本直治議員の賛同を得て定数2削減の条例改正案を提案。西本議員は(1)前回の削減(平成19年)から人口は3千人以上減った(2)現状13人で滞りなく運営している(3)行財政改革の観点などを挙げ「新庁舎建設のビックプロジェクトを進める中で市民の声を吸い上げる貴重な選挙の機会を失うことは議会の弱体化につながり、看過できない」と提案理由を説明した。
反対の立場で向井孝行議員が「過去3回削減に関わったが、いずれも保守系は一丸でやってきた。なぜ今回は割れたのか、解せない」と質問したのに対し、西本議員は「全く何も考えていない」と答弁。さらに向井議員は「行財政改革を言われたが、財政4指標はいずれも問題ない」と指摘したが、西本議員は「これから先どうなるか分からないからしっかり考えなければならない」と答弁した。
討論で賛成の山本直治議員が「10年間で人口が3千人減った厳しい現実がある。定数を考える上で大きなインパクトを持っている。定数を聖域化してはいけない」、平井俊哉議員が「議運では選挙、行革は必要だが、現時点では適正定数の考えを持ち合わせていないので×と言ったが、その後熟慮し、選挙は必要との考えに至った」。反対の田端卓司議員が「今回の削減は寝耳に水。今の議会が拙速に決定すべきでない。もっと議論するため継続審査にすべき」と述べた。
その後、採決を行い、起立(賛成)したのは西本、山本直治、平井、宮路雅仁、松屋久紀各議員の5人だけ。残りの向井、山本清司、村上宗隆、田中数将、松本隆史、小池佐左夫、田端各議員の7人は起立せず、反対多数で否決された。今後、無投票阻止を訴える15人目が立候補することも考えられるが、告示まで1カ月を切った中では難しいと見られ、市政史上初の無投票が濃厚だ。傍聴した市民から「無投票は情けない」との声が聞かれた。
追加議案は市職員給与条例一部改正、新町地区津波避難タワー建設請負契約(既報)市道御坊大橋耐震補強工事同(同)人権擁護委員候補者推薦、市教育委員会委員任命など9件。人権擁護委員は宇藤勝氏(69)==名田町楠井=を再任。教育委員は芝崎二郎氏(70)=塩屋町南塩屋=を新たに選んだ。
その他の主なニュース
● 鈴鹿カートレース 北山深翠さん(由良町出身)第7戦制す
● かわべテニスコートの7面 人工芝の張り替え工事着手
● 畑中望来さん(印南中)日本Sテニス連盟U14女子のナショナルメンバーに指定
● 日高川町3ミカン農家 全国初、個人「機能性表示」認められる