時間をやりくりして、「太陽」を見ることが出来ました。長崎駅前のシネコンで上映されたのですが、普段見かけない高齢の方(昭和天皇に関心がある年代)をお見かけしました。「フラガール」のときも、30年ぶりに映画を見に来たという高齢のフラダンサーがいて、観客層も映画によって違っています。
わずかばかりの予習?をしていたのですが、画面に出てくる天皇ヒロヒトやその背景は 想像をはるかに超えていました。地下壕の天井の低い部屋で、極少人数としか接することのない天皇が、どれほど他人に畏れられていたかや、戦前の本人は 悪化する状況を冷静に受け止めていたことを うっすらと読みとることが出来ます。
また敗戦後、GHQにぞんざいな扱いを受けたり、司令官に尋問?を繰り返されるなど、周囲との関係が大きく変わり、侍従さえ従うことを許されない孤独な状況で、人間宣言の決断を進めていきます。
人間が直視さえも出来ない「太陽」、どんなモノでも高熱で溶かし飲み込む「太陽」、そして地上の誰にでも降り注ぐ「太陽」・・・・舞台は宮殿とGHQ司令官室のみ、少ない登場人物、敗戦、ワーグナーのBGMなど、何一つハデな作品ではありませんが、心に深く刻まれる110分でした。