暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

燃える

2018年05月10日 | 古民家

 木造の高層ビルが日本にも建築される日が近づいています・・・

高さ350m・・・地上70階建てだそうです・・・(2041年目標のようで・・)

欧州・北米では7階建てから10階建ての木造ビルはすでに建築されています・・・

「木造耐火」と言う考え方で集成材の柱に耐火ボードなどを張って燃えにくいようにしたり

CLT(直交集成材・・・クロス ラミネテッド ティンバー)など・・・

新しく開発された強度のある加工木材があって、木造の高層建築が進んでいるようです。

江戸の大火と言われる様に、火事による被害は江戸時代から数多く発生しています・・・

木の家だから・・・木は燃えやすいから・・・それだけが理由ではありません・・・

火のある暮らしが当たり前でした・・・火元の防火対策も、今のような造りではありませんでした・・・

乾燥した空気の中、一旦火が付けば燃え広がる速度は速く・・・消火設備も貧弱な時代・・・

火が付けば延焼しないように、家を取り壊すしかありませんでした。

焚き火をしていた火の粉が飛び散って、江戸の町の大半が焼けてしまった・・・

火の始末の不備も大きな原因の一つです・・・

そんな事から木は燃えやすいと思われがちです・・・・確かに木ですから鉄よりは燃えやすいです・・・

それでも木がすばらしいのは、燃え進んでも進んでも強度が極端に落ちないのです・・

鉄は一定の温度になると一気に崩れ落ちます・・・それが木造に無いのは・・・表面は炭化して・・・

燃え進む速度を遅くしてくれるからです・・・

(そのため鉄骨は表面に防火の為の石綿のようなものが吹き付けてあります・・・)

ですから・・・火事になっても逃げ出す時間が稼げて・・・人命は助かると言う事ですが・・・

最近の建物の火事で多くの人が亡くなるのは・・・発砲系の断熱材や樹脂などから出る、いわゆる有毒ガス(一酸化炭素)・・・

その煙で意識が無くなり、動けなくなって亡くなるケースがほとんどだそうです・・・

古民家は、大断面の大きな材を使った住まいです・・・自然の素材で造られた住まいからは・・・

有毒ガスは出てきません・・・大きな柱は・・・万が一燃えてもすぐに燃え尽きる事はありません・・・

水周りや火元のある場所を現代の設備で補ってあげれば・・・

安全で安心の人にやさしい暮らしが出来ると思っています・・・

耐火ボードで木を見えなくしてしまうような作りや・・・端材を接着剤で固めた呼吸しない作りの木造住宅・・・

材木の有効利用と言う大きな目的は解りますが・・・持続可能な木造住宅を造り・・・

次の世代に受け継いでいけるような仕組み造りがこれからは必要なのでは・・・と思います。

新しいものを作り・建て続けるのでは無く・・・足りないものは補いながら・・・

古いものを有効利用して行く・・・

循環型の社会造りが大切だと想います。

 

 

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