暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

奇跡

2022年01月16日 | 古民家
 冬の夕暮れは・・・宇宙と太陽が重なり合った空の色で・・・
夏の朝は・・・ペラリと少し重い空気が残り、高く遠い青色の空で・・・
秋や冬にも・・・込み上げる空がどこまでも心に残り・・・
寒暖差の少ない場所とは違う・・・豊かな自然の表情が広がります・・・。

世界は広く・・・日本の古民家よりも歴史が深く・・・
複雑な時間を過ごし暮らして来た文化があって・・・風化しない遺産の中に、その時代の面影を見て取れますが・・・
木の文化の中では、長い時間に風化して・・・日常の文化が残るには時間が許さず・・・
大切な文化が途切れてしまう事もあるようです・・・。

それでも・・・季節の移ろいで消えて行く儚さを、美しいと感じ・・・
永遠ではない時間に中に・・・日々の暮らしの大切さを重ね・・・
小さな美しさを見過ごさない暮らしを・・・何度も重ねる時間でした・・・。
カチンと身を正す・・・凍りかけた冬の空の白さと・・・
茜色に染まる山と、空の闇が溶け合う・・・秋の夕暮れ・・・
奇跡のような場所で暮らせる・・・幸せを守りたいと思います。

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どこにでも

2022年01月15日 | 古民家
 玄関先には小さな花壇が並んで・・・ピチピチと打ち水がされるアスファルトも・・・
風情が見て取れないようでも・・・なんだか少し涼やかで・・・
車も通れない小道の両側が・・・わずかでも小奇麗に、華やぐ草花が並べば・・・
古い壁の並ぶ狭い町も・・・住みやすい場所に変わって行きます・・・。

火事の多かった日本の町・・・
木造の建物が悪のように見られて・・・消防車が入れない道を無くそうと躍起になってしまえば・・・
町の文化は消えて、日本らしさが消えても・・・そこかしこにはまだまだ小さな町は残り・・・
昔ほどでは無いにしろ・・・駆け抜けて来た時代の姿を残しながら、少しづつ新旧が交じり合っています・・・。

商店街がセピア色に染まって・・・町の至る所に影が落ちれば・・・
大げさな建物がいくら増えても・・・町の活気は戻ることも無く・・・
地域の文化も、日本各地に残る・・・魅力的な文化も同じように・・・
そこで暮らす・・・疑う事無く繰り返す、大切な日常の文化が・・・
整理され面白みも無い・・・どこにでもある文化になってしまうような気がします。

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今を

2022年01月14日 | 古民家
 鉄にコンクリート・・・土や木・・・綿も絹も・・・
廻りに広がる素材はたくさんあって、数えきれないくらいのモノで溢れている・・・
それでも、自分が手に出来るモノはそこそこで・・・造り出せるモノはもっと少なくて・・・
顔も知らない誰かが手に入れて・・・造り出し、目の前に広げてもらえる・・・
見知らぬ誰かがいなければ・・・暮らしは成り立たなくて、何てこと無く手に入れた電気もお水も簡単に使っている・・・。

住い造りには・・・たくさんの人が関わり合い、たくさんの素材が必要です・・・。
みんなの顔を見る事無く、手に入れた暮らしは流れてしまい・・・
どれだけの手仕事があって・・・いくつもの顔が出入りして造られたのか、出会う時間も無くなってしまう・・・。
いくつもの世代を超えて繋がる住まい造りならば・・・多くのやり取りを心に受けながら住まい造りは進んで・・・
住まいと共に・・・家族の歴史が刻まれて行くはずなんだと思いま
す・・・。

お店に並ぶ野菜やお魚を選ぶように、住まいを選んで・・・数か月もすると立ち並ぶ間にストンと箱が置かれている・・・
使われる素材も・・・手仕事の顔も手にする時間が無い暮らしが、この先流れて行くのは・・・
悲しくて・・・無駄なことなのか・・・効率よくて嬉しいことなのか・・・。
次の世代を大切に思うのは・・・数十年先の森を、今育てているのと同じで・・・
豊かに育つ森は・・・おじいさんの、そのまたおじいさんから受け継いだ森です・・・。
自然と共存する場を育てて来た時間・・・
名前も知らない誰かに向けてかも知れないけれど・・・今を生きる意味を残せる暮らしでありたいと思います。 


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お参り

2022年01月13日 | 古民家
 気を付けないとつま先がぶつかるほど、石段の高さは思いのほか高くて・・・
少し見上げれば、目の前に迫る急な階段は・・・鉛の入った靴を履いたように・・・
心が折れそうなほど永遠に続いて行く・・・。
息も絶え絶えに横を覗けば・・・小さな手と足を器用に使いながら、フワリと石段を登る幼い子供達・・・
屈託なく笑い飛ばしながらお尻を見せる姿に・・・ブルルとエンジンがかかったのか・・・
フルフル揺れる足を抑え・・・最後の十数段を睨みつけ・・・
パタリとたどり着いて振り向く先には・・・参道の木々と鳥居の間に広がる水平線の輝きが迎えてくれた・・・。

新たな年を迎えると・・・
1年の感謝に、新年の無事や平安・・・健康を祈願する・・・
神頼みは、いろいろな場面で残されて・・・老若男女関係なく続いても・・・
その裏では・・・無人になってしまう社寺仏閣が各地に増えているようで・・・
数か所を一人で管理する地域も多いようです・・・。

こぼれそうな小さな石の仏さまが・・・道路の脇に佇む姿はそこかしこにあって・・・
少し気付けば、あちらこちらに神頼みは残っていました・・・。
八百万(ヤオロズ)の神が漂うこの暮らしには・・・
手を合わせる仕草がとても似合っていると思います・・・。
古い住まいも・・・何気ない石ころも、くじけそうなくらい傷んだ小さな祠でも・・・
大切に想い・・・繋げて行く心があれば良いなと思います。

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あゆみ

2022年01月12日 | 古民家
 ひと抱えもある船に張られた水には・・・綺麗な綿毛のような楮が解けて・・・
すくい広げ、手仕事の技で・・・薄く綺麗に広がり手漉き和紙に仕上がってゆく・・・
ガサリと大胆に箒桁(スケタ)をふるう姿は・・・お手軽そうで、十年もの修業の中、体に動きを沁み込ませなければいけないようです・・・。

畳の下にヘソクリを隠して・・・いつの間にか忘れてしまい、大掃除の時に見つかってしまう・・・
そんな風刺のようなお話しも、暮らしの変化で薄れるほど・・・畳の登場は少なくなり・・・
イ草を育てる文化も守れなく・・・鬼のような手と腕が編み上げる職人の姿も、ずいぶんと過去の事になりました・・・。

伝統文化が文化遺産として登録されてもその先は・・・育って来た地域の頑張り次第で・・・
名前が派手になっても・・・暮らしの中に彩られることは無く・・・
継ぐ世代が・・・時代に合わせ変化させて守らなければいけないようです・・・。
和紙や畳・・・漆器なども、暮らしの変化で必要とされなくなってはいますが・・・
良いモノは長く暮らしに寄り添い・・・手間を惜しまなければ、大切に繋げて行ける文化です・・・。
使い捨ての暮らしから・・・使い回す暮らしへと、歩みを戻す頃なのかも知れません。





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