花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

筑波山の山吹草

2012年05月09日 | 写真

ヤマブキソウの花
この草は調べるとやっかいだ、ケシ科に分類されているのは
共通だが、属がヤマブキソウ属とクサノオウ属とに見解が
別れている。
同じ山と渓谷から出されている「日本の野草」ではクサノオウ属
「山に咲く花」ではヤマブキソウ属に分類されている。

平凡社の「山の花1200」には、ヤマブキソウは日本を含む
東アジアに固有の1属1種と書いてある。
最もクサノオウ属も1属1種と書いてあるから、どちらでも良いと
言えば言えなくもないが。どっちなんだよと言いたくなる草だ

しかもヤマブキソウは、葉っぱの形状で3つに別れている
ヤマブキソウ、セリバヤマブキソウ、ホソバヤマブキソウ
そこで上の写真を見ると、花の下の葉がかなり切れ込んでいる

付近に咲く別な花を撮ると、こんな葉である。
こちらは間違いなくヤマブキソウの葉である。
「筑波山の自然図鑑」を見ても、セリバは載っていない
素人泣かせの花である。
いずれも5月7日の撮影、ピークを過ぎかかっていた。


御幸ヶ原に咲くフデリンドウ

7日朝
出かけるよと言ったら、「今日は病院なの」と急に家内が
言いだした。
仕方がない、家内を病院まで送り迎えしたら、半日が過ぎた

テレビでは、北条の竜巻被害を報道している。昨日6日
加波山の観察会に参加しているNさんに電話したら、帰りに
北条の知人の家の安否を確かめに行ったらしい。
車では入れないので、遠くから歩いたとか、
「写真を送るよ」と言っていたのに、全然こない。
Nさんのブログをみたら、北条の写真が載っていた。
なんだよ忘れているんだ

それにしても、最近はやりのツイッターは凄い、北条の竜巻写真が
次から次へとアップされていた。

午後2時過ぎ、裏道を通って筑波山のヤマブキソウを見に行った
それが上の写真である。
ケーブルカーで御幸ヶ原に行ったら、月曜と言うこともあるが
人影がまばらで、ガラガラである。
売店もほとんどがカーテンを閉めていた。


ムサシアブミ・サトイモ科テンナンショウ属
名前の由来は、乗馬の際に足をかける鐙(あぶみ)という金具
に花の形が似ている事による。
しかもその鐙の性能や品質が、江戸時代頃まで武蔵の国が
良かったというので、ムサシの名がついたという。
「俺のあぶみはよ、武蔵のものよ」なんて自慢していたのだろうな
そのブランド名がついた花である。


ヤマトグサ(大和草)、ヤマトグサ科ヤマトグサ属 (垂れ下がっているのが雄花)

ピンボケ写真で申し訳ないが、この草は牧野富太郎博士が
日本人として初めて学名をつけた記念すべき植物である
1884年高知県の名野川沿いの山地で発見され、1887年に
学名がつけられた。
故に学名にも「Cynocrambe japonica Makino 」と書かれている
詳しい植物の説明は、学生板牧野日本植物図鑑から引用したいが
これから病院に行くので、時間のあるときに書きたい。

この花は、すでにピークを過ぎていた。
撮り直しができたら再掲載したい

追加写真

ヒイラギソウはまだ蕾だった。
このヒイラギソウは、昭和天皇陛下にご覧いただいた
由緒ある花なのだが、登山道脇から雨で少し流された。

ケーブルカーの運転手の方に聞きました。
現在何の花が咲いているか、駅に聞けばたいてい判るそうです。


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6日のつくば市の竜巻を動画でアップした方が多数いるが
中でも評判なのがこの動画

茨城県つくば市目の前を竜巻が通過!

動画の右下にあるフルスクリーンモードで見るボタンを
クリックすると、フルスクリーンで見られますよ。

昨年の大津波映像も凄いよ

東日本大震災】【津波】今迄見た中で一番衝撃的な大津波の映像




悪天候の鳴神山に登る・その3

2012年05月08日 | 登山

登山道の様子1


新緑1


新緑2


新緑3


あふれる水のわきを登る・清冽な滝のようだった
このところには「マムシに注意」の立て札があった。

この間ワチガイソウやヒゲネワチガイソウの花も沢山有ったが
雨で濡れて光り、お見せできるような写真は撮れなかった。

右手の急斜面には、赤いツツジガ咲いていたが、近寄れない
ので東国三つ葉なのか判らなかった。

セリバヤマブキソウはまだ蕾で、この山には二種類の山吹草が
有るよね などと話しながら登った。

ようやく肩の広場に着くと、もう12時近い時刻だった。
コースタイムを見て、花友が驚いている。
「ここまで1時間30分だってよ。私たちは倍だよ」

変わった形の狛犬が、「あ」「うん」の表情で出迎える
間を抜けると、古い社務所がある。
社務所の前で年配の男性が食事していたが、私たちが行くと
「ここを使いなさい」と丸太のテーブルをあけてくれた。

以前、社務所前に丁字桜の様な桜が有ると思っていたが
見てみると八重桜が咲いているだけだった。
花友もそんな記憶が有るという。不思議な異次元体験だった。

食後、暖かいコーヒーを入れて、ようやく落ち着いた。
相変わらず空は、晴れたり曇ったり、時折雨が落ちてくるかと
思えば、強烈な日差しが差し込んだりする。

鳴神スミレを探しに、カッコソウの保護地まで下ってみたが
杉の落ち葉で埋め尽くされ、ヒトツバエゾさえ咲いていない
遙かにルイヨウボタンと思える草が揺れていたが、蕾のようだ

朝日新聞で出した、週刊花の百名山の鳴神山には、肩の広場から
金沢峠に向かうルートには、桜スミレやチシオスミレなどの
スミレ類もリストに出ているし、ヤマシャクヤクの名前もある

その資料を見たKさんが、花沢台の頭まで1時間だから行こうと
言いだした。
いい加減くたびれている私は、地形図を見て帰りの登りが心配だった
行きは良い良い、帰りは怖いである。
足下には麓スミレの群落があり、その変異の多さに驚くばかりだ

特に距の紅紫色というのか、赤いと言うのか言いしれぬ色合いが
印象的であった。


傍らには芽だしが始まったばかりのギンリョウソウが有った

急な下りの途中で花友のKさんが立ち止まっていた。
坂がきついのでここから引き返すという
私は内心ホッとした。

右が植林地の尾根になると、辺り一面霧に覆われて幻想の世界だった

展望もないし、ヒメイワカガミも咲いていないので、桐生岳はパス
して仁田山岳に登った。
「スゴーイ」仁田山岳の山頂に散らばるアカヤシオの落花に
みんな感嘆のの声を上げた。

「今年はアカヤシオの当たり年だったのね」

浅間の展望地に行っても、雲に覆われた山並みばかりで浅間山は
影さえ見えなかった。

アカヤシオの散らばる山道を下って椚田峠に抜けた。
峠で一休みして暖かいコーヒーを入れた。
ここから赤柴林道に至るコースは、スミレの多いところである
下って谷筋に降りると、コースが川になって、新たな道が
作られていた。
流れてたまった落ち葉道は、スボッと靴が埋まるような深さである

オオルリであろうか、賑やかな鳥の声がいつまでも響いていた



ホソバノアマナと思える花も咲いていた


花のアップ


フモトスミレの色々、訂正フイリフモトスミレ
この花は、フイリフモトスミレとの指摘がありましたので訂正いたします。
ご指摘ありがとうこざいました。今後もビシビシご指摘お願いします
(12日追記)


距に注目

こんなに濃い色もある

ヒトツバエゾスミレ

ヒトリシズカの群落
シズカどころか賑やかですね(笑)
もっとも、「野草の名前」で高橋勝雄さんは
義経主従と静御前の亡霊だから群生するのだと言われている
ちょっと不気味な名前の由来である。


シロバナエンレイソウ
普通のエンレイソウは萼片のみだが、これは白いのが花弁

(花の写真はコース順では有りません。)



悪天候の鳴神山に登る・その2

2012年05月06日 | 登山

東国サバノオの実がなっていた、この形が鯖のしっぽに
似ているので、花の名前の元になったと言う。

ウツギやニョイスミレの咲く道を進むと、沢水の音が
響き出す登山口に着く。

雨に濡れてつややかな光を放つ新緑の木々に覆われた登山口


登山口の看板の後ろは、右の沢から流下る沢水が白い飛沫を
あげている。
心洗われるとはまさにこの事なのだろう。


登山道は沢に沿ってしばし樹林帯の中を登ってゆく


植林された杉の林が続いて、少し薄暗い木々の間から覗く
若葉が何よりだ。

杉の林の中にヒトリシズカの群生が賑やかだ
ホウチャクソウの蕾も、葉にくるまって出番を待っている
やがて沢が別れるところに来ると、川北小学校6年作の
案内板が立っている。

下から1000歩、上から3500歩と書いてある
距離で無いところがほほえましい。60年度川北小6年生に拍手!!


予想はしていたが、谷筋の登山道は水があふれてぬかるみだった
駐車場で支度するとき、私が長靴を履くのを見て、花友が
驚いていたが、これで正解だった。
何しろその先はもっと凄いことが待っていたから。

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私たちが鳴神山を歩いている頃、北アルプスで中高年の遭難者が
何人も出て、白馬岳では6人全員が死亡したという。岐阜県の
涸沢岳でも6人が遭難し、登山歴45年のベテラン一人が亡くなった
いずれも天候急変による低体温症だと言う。

また爺ヶ岳でも単独で登った62歳の女性が、吹雪で道を失い
身動きがとれないと山小屋に連絡してき後、行方が判らず、ヘリ
に山頂付近でたおれているのを発見されたが、死亡が確認されたという

結局13人が遭難し、死亡者が8人という最悪のゴールデン
ウィークとなった。

あの北海道のトムラウシの大量遭難が記憶に新しいのに、その
経験が生かされていないのが残念だ。
残雪の白馬岳に、シャツとジャンパーだけと言う軽装とは、、、

今となっては冥福を祈るだけだ。
私も充分注意しよう。

働いている人は、休みに合わせて登山計画をするので
つい無理な行動をしてしまう。
日程の余裕のなさが、悲しい事故に繋がるのではないか
今一度考えて良い課題だと思う。
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悲しい話題だったので、花の写真を載せる




たぶんアケボノスミレだと思う
特徴の一つは距で、丸くて太い、葉は淡緑色で出始めの
基部が表面に巻いている。
花期には葉が充分展開しない。展開した葉は心形で先端は鋭頭で
両面に毛がある。裏面は少し紫色になるものが多い
側弁の基部は有毛のものと無毛のものがある。
名前は花の色を明け方の空の色(曙)にたとえたもの




アカネスミレだと思う
特徴を記載すると、一株あたりの花の数が多い
濃い紅紫色で花に近づくと香りがする
側弁基部には白毛を密生する
距は細長く、萼片にも毛が生える。
葉は卵形で基部はやや心形
葉柄に翼が有るものと、無いものや葉の表面に白い
毛が密生するものと、しないものがある
植物全体に白い短い毛が密生することと、子房にも
毛が生える
事が特徴
花の色や、毛の多少など変化が多い

いずれも鳴神山で撮影したが、雨降りでレンズ交換が
できず、標準ズームレンズで撮影した。

つづく

6日午後、つくば市北部で竜巻発生、北条地域に被害発生
現在15時38分、自宅周辺が天候急変、突風と大雨と雷
かなりやばくなりました。

つくば市北条で、倒壊した家屋の下敷きになり、中学生が
死亡しました。
被災地域は一般人の立ち入りが制限されています
ご注意ください。






悪天の鳴神山を登る

2012年05月05日 | 登山

今回の登山コース図
駒形登山口~肩の広場~金沢峠方向に稜線歩き
~途中から引き返す~肩の広場~仁田山岳(西峰)
~椚田峠(裏の肩)~赤柴登山口~林道赤柴線~
駒形登山口駐車スペース

昨年は、東日本大震災の影響で、鳴神山にこられなかった。
スミレの季節に登りたいと、いつもの花友と相談していた。
本当は、4月末に登る計画だったが、花が遅れているとの
情報で、4月6日に変更した。
鳴神山の花情報については、ブログのブックマークに入れている
こつなぎさんのブログ「こつなぎの写真ノート」を参考に
させて頂いた。こつなぎさんに感謝!!

ところが、晴れマークだった5月6日が雨マークになり
花友のIさんが休みの4日に変更して、4日の天気待ちになった。

3日夜、4日の桐生市梅田の天気予報が、9時から15時まで
晴れマークが確定した。決行のメールをして準備をする。

4日朝5時30分、小雨のぱらつく中、IさんKさんと私の3人で
つくば市を出発、294号から50号に入り順調に走行。
桐生市の大間々線に入ると、本格的な雨になってしまった。
「こんなんで本当に晴れるの」「今朝の天気予報では9時から
15時まで晴れマークだったよ」などと話をしながら山沿いの
道を走る。

「昨日の大雨で各地で土砂災害が起きている。谷沿いの道を
登る鳴神山は危ないよね。」
登れなかったら中止して引き返すか、赤城自然園にでも行こう
と言うことにして、駒形の手前にあるバス停で雨待ちにした。
ここがこの登山道の最後のトイレのある場所なので、時間待ち
にはちょうど良いのだった。

私たちが雨待ちをしている間に、2台ほどの車が上っていった
少し雨が小降りになったので、私たちも登っていった。

そして駒形登山道の基点 廣土橋に着いて驚いた。
砂防工事が始まっていて、回りの様子が一変していた。
駐車するスペースが狭くなって、先客の車の後ろにようやく
駐めた。

後から来て、廣土橋際に駐めた年配の方に聞いたら、工事は
昨年からやっていたらしい。
一昨年は、木品側から登ったので、駒形側は3年ぶりだった
その間にこんな事になっていたとは、寝耳に水である。

この年配の方は、後で聞くと、環境パトロールの様な腕章を
つけていたと花友が言っていた。


廣土橋に立つ砂防工事の看板と、ハイキングルート案内


橋を渡って登っていくと砂防工事が大々的に行われている


対岸の山も削られて、尾根向こうの砂防ダムの工事用
道路が造られていた。

つづく

このブログに掲載の地図およびGPS軌跡図等は国土地理院の
承認を得ています。
「 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)
数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)
数値地図50mメッシュ(標高) 及び数値地図10mメッシュ(火山標高) を使用した。
(承認番号 平22業使、第446号) 」




城里町の御前山観察会・番外編

2012年05月03日 | 写真

「道の駅かつら」から御前山上空に舞うトビ
「鷹柱」ですかと聞いたら「トビ」だよと
KZさんが教えてくれました。
植物も詳しいが、鳥も詳しいKZさんです。

トビなら可愛いけれど、時には招かざる客も現れます

ゲーッ まむしがいました!
とぐろを巻いて今にも飛びかからんとしています。

「俺はこんな冷温動物は嫌いだよ」と言ったら
「好きな奴はいないでしょう」と参加者
みんな遠回りして歩きました。

枯れ葉に紛れたら、姿が判りません。老眼の私には
一番危ない奴です。
気づかずに花の写真を撮ろうとしたら、、、、、、。
オーイヤダ!!


新緑のシーズンです。たまには上も見上げて。


この時期にしか見ることのできない模様が有ります。


川沿いの道には、東国サバノオが一面に咲いています


鐘つき堂の近くには、早くもトウゴクミツバツツジが
咲き始めていました。


西口登山道付近には、びっしりと豆ヅタが絡んだ木が
沢山有ります。


ミヤマカタバミ(たぶん)
たぶんと書いたのは、図鑑で調べたら、関東には
「カントウミヤマカタバミ」と呼ばれるものが有ると
判ったから。
違いは、葉の裏の毛が少ないのだそうです。
そこまで見なかったし、毛が無いのなら判るけれど
少ないって言われてもなー


タカオスミレ、文字通り高尾山周辺で咲くスミレ
ヒカゲスミレの変種と言われています。
葉っぱに特徴が有り、茶褐色を帯びたくすんだ緑色を
しています。
真正面から撮れる花が無くて、この写真では葉っぱが
よくわかりませんから、別に葉っぱだけの写真を載せます


タカオスミレの葉、(中央から右手前に伸びている葉っぱ)


藤倉の滝、(カラオケと釣り堀をやっている家の近く)


藤倉の滝全景、小さななめ滝で、涼やかな音がする。


たぶんマルバコンロンソウ、手持ちでスナップ撮影したので
葉の特徴がよくわからないのですが、奇数羽状複葉に見える
のでマルバコンロンソウとした。


ミヤマハコベ
花弁5個は深く切れ込んで10弁に見える

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毎日雨ばかりでうんざり、明日の晴れを願って
筑波山の朝焼け写真を再掲載


(写真のサイズが大きすぎたので取り替えました)