【手足をいつくしむ】
「手のきたない人は、信用で
きない」
こういうとずいぶん乱暴に
響くかもしれません。それでも、
きたない手のままで平気でいる
というのは、
すごく粗野でないかと思うのです。
手は体のなかで、人とのやり取り
を担う部分。「さわる」という行為
をとりおこなうのです。
食べもの、お客さまに渡す品物、
ほかの人の手や頬にふれる手が、
きれいなほうがいいのは当然
でしょう。
実際にさわる、さわらないかの
問題ではありません。もし誰か
にちらりとでも、
「この手にさわりたくないなあ」
と感じられたら、僕は自分で自分
がいやになってしまいます。
相手の立場になって考え、想像
すれば、人の目につく手をどれほ
どきちんと手入れすべきか、
わかっていただけるのではないで
しょうか。
手と同じように足もきれいにしま
しょう。目に見えないところ
まできれいに整えるという心
がけが、ていねいな暮らしや
人生をかたちづくるのです。
体や健康という、命につながる
ことに留意しない人は信用でき
ない ―――こう言えば、冒頭
の言葉もあながち乱暴に聞こえな
いと思います。