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天者陰陽

2009-10-25 19:17:38 | 孫子
 「天者陰陽・寒暑・時制也 地者遠近・険易・広挟・死生也」


 (天とは、陰陽・寒暑・時制なり 地とは、遠近・険易・広挟・死生なり)【始計篇】


 統治の基本である「五事」の二番目は「天」「地」である。戦いを起こすに当り、それを決めるための重要な項目となるものだ。


 孫子の時代、この「天」は、所謂「万物の祖」である神であったのだが、現在においては、世の動向・世情といった時機(タイミング)ではないだろうか。


 「陰陽」は天候であり、「寒暑」は四季であり、「時制」は時間といえる。


 例えば、春の種を蒔いて、秋に果を収穫する。夏は暑いので薄着で、冬は寒いから厚着をする。晴れのときは帽子が必要であり、雨には傘がいる。時間がくれば、腹は減り、空腹を覚え、眠りもする。よって時機が計ることが大切だとした。


 さらに「地」とは、取り巻く環境のことである。その国柄とか、土地柄といった場所に合ったものにせよ、ということだ。


 例えば、シベリア氷原とサハラ砂漠とでは、環境が大きく違う。車などは、寒冷地仕様とか、砂漠仕様にする必要があるように、その場所に合った適切な判断が大切であるとした。


 「天の時」「地の利」は、事の大事を決行するに、極めて重要な要素であるのだ。



道者令民与上同意

2009-10-25 03:58:08 | 孫子
 「道者令民与上同意 可与之死 可与之生 而不畏危也」


 (道とは、民をして上と意を同じくし、これと死すべく、これと生くべくして、危うきを畏れざらしむる)【始計篇】


 統治の基本とされる「五事」の一番目にこの「道」が挙げられている。


 通常、民衆を指導者と同じ思いにさせ、危険を恐れずに指導者と生死を共にするようにさせることが、「道」であるとしているが、今は、民衆が主権を持っている。
だから、世の指導者は、民衆の総意を敏感に汲み取らなければならない。それこそが、現在における「道」であろう。


 その上で、現代でいう「道」とは、「目標」ではないだろうか。
つまり、よく行動する組織とは、全メンバーが共通の目標持っている。一体感を持って行動することにより、1+1が2ではなく、10にも20にもあるのではないか。


 よって、上に立つリーダーは、全メンバーが結集できるような目標を設定することが大きな責務となるのだ。


 優れたリーダーとは、人々が気がつかぬうちに、ある目標に向かってメンバーの意思を統一させている。



主孰有道

2009-10-24 17:03:09 | 孫子
 「主孰有道 将孰有能 天地孰得 法令孰行 兵衆孰強 士卒孰練 賞罰孰明 吾以此知勝負矣」


 (主、何れに道あるか、将、何れに能あるか、天地、何れに得あるか、法令、何れに行なわるるか、
兵衆、何れに強きか、士卒、何れに練れたるか、賞罰、何れに明らかなるか、我は、これをもって勝負を知る)
【始計篇】


 孫子は、戦力を計り勝敗を予測するためのチェック項目を客観的に判断できるようにしていた。


1.トップは、どちらが明確な方針を持っているか。
2.首脳部は、どちらが有能であるか。
3.時期および状況は、どちらが有利なのか。
4.管理監督は、どちらが行き届いているのか。
5.第一線の働き手は、どちらがやる気に満ちているのか。
6.中間リーダーは、どちらが経験を積んでいるのか。
7.評価は、どちらが公平的確に行われているのか。


 これもその一つであり、敵味方の戦力をソフト面から比較しようとしたもので「七計」といい、勝敗を占う7つの鍵なのだ。



兵者国之大事

2009-10-24 03:05:16 | 孫子
 「兵者国之大事 死生之地 存亡之道 不可不察也」


 (兵は国の大事、死生の地、存亡の道、察せざるべきか) 【始計篇】


 『孫子』の冒頭の一句。「兵」とは、戦争とか、軍隊や兵士、戦略などを意味するが、ここでは戦争のこと。


 「戦争とは国家の一大事であり、国民の生死を左右し、国家の存亡に関わる事である。よって、よくよく見極めなければならない」ということ。


 孫子は、大事を決行するときには、統治の基本である5つの要件(五事)を満たしているかをチェックせよと言っている。


1.道(民意を統一できる基本方針)
2.天(タイミング)
3.地(環境的条件)
4.将(優れた指導者)
5.法(組織、制度、運営)


以上の5つであるが、つまり、「戦いとは軽々しく始めるべきではない」ということだ。