『西風のくれた鍵』 、アリソン・アトリー著、石井桃子・中川李枝子訳、岩波少年文庫
<あらすじ>
・ピクシーのスカーフ
(動物たちの言葉がわかる不思議なスカーフを拾った男の子の話)
・ピクシーのスカーフ
(動物たちの言葉がわかる不思議なスカーフを拾った男の子の話)
・雪むすめ
(少年の作った女の子の形をした雪ダルマを北風が雪と氷の国へ持ち帰る話)
(少年の作った女の子の形をした雪ダルマを北風が雪と氷の国へ持ち帰る話)
・鋳かけ屋の宝もの
(小さい町々を鍋やヤカンを直して回る貧しい鋳かけ屋が手に入れた宝ものの話)
(小さい町々を鍋やヤカンを直して回る貧しい鋳かけ屋が手に入れた宝ものの話)
・幻のスパイス売り
(異国の香りを運んでくるスパイス売りのおばあさんの話)
(異国の香りを運んでくるスパイス売りのおばあさんの話)
・妖精の花嫁ポリー
(ピクシーに見そめられて花嫁になった人間の女の子の話)
(ピクシーに見そめられて花嫁になった人間の女の子の話)
・西風のくれた鍵
(西風のくれた鍵で木の秘密を知った少年の話)
(西風のくれた鍵で木の秘密を知った少年の話)
人間と妖精との交錯した不思議な世界を描いた自然の息吹にみちた美しい6つの物語。
<感想>
それぞれの作品には、著者アトリーの成長期に深く心に刻まれたイギリス・ダービーシャーの情景を思い浮かぶような自然の営みを題材にしていながら、不思議な世界観を持った作品です。
アトリーの作品には、『グレイ・ラビット』シリーズのような幼い子供を対象としたものと、年上の思春期の少年少女を対象としたもの、大人向けのエッセイと、その幅の広さは驚くばかりです。
しかも読者対象の年齢が高くなるにつれ、文体や登場人物の性格も複雑になり、奥行きの深いものになり、彼女の作家としても資質の豊かさ、技術の確かさを示している。
今作の『西風のくれた鍵』は、幼い子供を対象としていますが、彼女のもつ自然観というものがあふれていて、現代の大人が読んでも楽しめるのではないかと感じます。
それぞれの作品には、著者アトリーの成長期に深く心に刻まれたイギリス・ダービーシャーの情景を思い浮かぶような自然の営みを題材にしていながら、不思議な世界観を持った作品です。
アトリーの作品には、『グレイ・ラビット』シリーズのような幼い子供を対象としたものと、年上の思春期の少年少女を対象としたもの、大人向けのエッセイと、その幅の広さは驚くばかりです。
しかも読者対象の年齢が高くなるにつれ、文体や登場人物の性格も複雑になり、奥行きの深いものになり、彼女の作家としても資質の豊かさ、技術の確かさを示している。
今作の『西風のくれた鍵』は、幼い子供を対象としていますが、彼女のもつ自然観というものがあふれていて、現代の大人が読んでも楽しめるのではないかと感じます。