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Cthaat Aquadingen

2009-11-20 18:44:15 | 禁断の書物

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「海や湖、川の中に隠れ潜む謎の水棲種族について、様々な知識を網羅した書であり、本自体も汗に濡れるおぞましき研究書」


・「Cthaat Aquadingen(水神クタアト)」は、11~12世紀頃にラテン語で著された、「Deep Ones(深きものども)」をはじめとする水棲種族について広範囲な研究を纏めた、著者不明の書物である。


・「Deep Ones(深きものども)」の最年長者であり、彼らに君臨する番(つがい)の海神「父なるDagon(海神ダゴン)」、「母なるHydra(ハイドラ)」についての記述があるだけではなく、彼らが崇拝する「Great Cthulhu(大いなるクトゥルフ)」と眷属についても記載されている。


・3部の現存が確認されているラテン語版は、「R'lyeh Text(ルルイエ異本)」と同じく人間の皮膚で装丁されており、温度が下がるとうっすらと汗をかくと言われている。


・14世紀頃のイギリスにおいてこの書物の翻訳書が発行されており、少なくとも1部の英語版が、ラテン語版と共に大英図書館に収蔵されている。


・19世紀イギリスの海洋博物学者フィリップ・ヘンリー・ゴッスは、世界で初めて陸揚げされたものではなく、生きたままの海棲生物を図譜に描き起こし、飼育法についても併せて解説した「アクアリウム」(この書のタイトルとなったゴッスの造語は、後に「水族館」を意味する言葉になる)を著したことで、博物学者として名声を博したが、その後、聖書の記述と化石の存在を両立させる前時間説を提唱する「オンパロス」を発表し、それまでの名声を失うことになる。


・ヨーロッパの自然科学界を大いに困惑させたこの事件は、大英博物館の「Cthaat Aquadingen(水神クタアト)」を読んでしまったゴッスが、その衝撃からキリスト教へと逃げ道を見つけようとしたのだと考えることができるかもしれない。


・ラテン語版の残り2部は、イギリス国内の蒐集家の手元にあるとされている。



The Celaeno Fragments

2009-11-18 10:52:19 | 禁断の書物

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「Great Cthulhu(大いなるクトゥルフ)と崇拝者たちより逃れた盲目の探求者が異界の大図書館で見出したものは、彼ら対抗する術を記した石版だった」


・「The Celaeno Fragments(セラエノ断章)」は、他の魔道書や禁書とは違い、書物や写本の名前ではなく、「Great Old One(旧支配者)」の仇敵である「Elder Gods(旧神)」から盗み出した文献の数多く収蔵されているとされる「Celaeno(セラエノ)」の大図書館に滞在していた「Dr. Laban Shrewsbury(ラバン・シュリュズベリイ博士)」によって見出されたものである。


・生身の人間の目に触れたことがない半ば破損した巨大石板は、そこに刻まれた「Outer Gods(外なる神)」や、その敵対者に関する知識の総称である。


・書物としては、「Dr. Laban Shrewsbury(ラバン・シュリュズベリイ博士)」によって英語に翻訳された私家版の自筆写本が1部のみが存在しており、1915年に博士が謎の失踪を遂げる直前にミスカトニック大学附属図書館に預けられた。


・ボストン在住の核物理学者アサフ・ビルマン教授と、リマ大学のヴィヴァロ・アンドロス教授が、この時期に「The Celaeno Fragments(セラエノ断章)」を閲覧し、要約を作成している。


・失踪から20年後の1935年、姿を消した時と同様に、忽然とアーカムに戻った「Dr. Laban Shrewsbury(ラバン・シュリュズベリイ博士)」は、すぐにミスカトニック大学に赴いてこの手製の本を一旦手元に取り戻している。


・その後、博士と大学との間で何度か行き来したこの本は、現在、厳重に鍵が掛けられる仕組みが施されており、関係者以外の人間は閲覧することはとても困難になっている。


・「Outer Gods(外なる神)」と眷属たちの諸力を退ける旧き印や、フォマルハウトから火神「Cthugha(クトゥグァ)」を召還する術法、飲む者を時空の束縛から解放し、あらゆる時間や空間の旅を可能とし、鋭敏な感覚を与えて夢と覚醒の狭間に留まることができる黄金の蜂蜜酒の製法等が記載されている。


・博士と同志たちは、この本に記載されている、この酒や「Hastur(ハスター)」に仕える有翼の魔物ビヤーキーを呼び出す石笛を使い、幾度となく危機を逃れたとされている。



Les Cultes Des Goules

2009-11-17 11:57:29 | 禁断の書物

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「中世末期のフランスに存在していた邪宗門の総合目録。食人の禁忌を冒し、不老不死の実現を望む人外の教義のカリキュラム」


・フランスの貴族、ポール・アンリ・ダレット伯爵(フランソワ=オノール・バルフォアという説もある)が16世紀に著した「Les Cultes Des Goules(屍食教典儀)」は、フランス国内において降霊術や人肉嗜食、屍体性愛に耽っていた淫祠邪教を目録化し、これらの教団の教義や行動について詳述した本である。


・当時、一般的な刊行物であった四つ折り判の装丁で、1702年もしくは1703年に出版されたらしい。


・人肉食の実践による不老長寿の秘法について触れている衝撃的な内容から、直ちにカトリック教会による発禁処分を受けたが、その後も密かに出回っていたようである。


・フランス文学の研究者の中には、「サド伯爵」の通り名で知られるドナティアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サドの著作中に、明らかに「Les Cultes Des Goules(屍食教典儀)」の影響が見られると指摘する者もいる。


・「Les Cultes Des Goules(屍食教典儀)」が刊行されてより数年後、イギリスのバッキンガムシャー州で生れ、後にこの本の所有者になったと思われるイギリス貴族のフランシス・ダッシュウッド卿は、18世紀の中頃にセックスと黒魔術を中心教義とする「地獄の火クラブ」という秘密結社を設立し、大蔵大臣の地位に就いたとされる1762年に暴露されるまで、10年以上に渡り狂乱の宴を続けていた。


・著者であるダレット伯爵自身について余り多くのことが知られていないが、ダレット伯爵家は、その後ドイツのバイエルンに移住して家名を「ダレース」に改め、更に新大陸アメリカに渡り、1919年に亡くなったミヒャエル・ダレースの代まで爵位を保持していた。


・1939年にアメリカのウィスコンシン州にて怪奇小説専門の出版社アーカムハウスを設立した郷土文学者オーガスト・ウィリアム・ダレースはミヒャエルの孫にあたる。


・「Les Cultes Des Goules(屍食教典儀)」原本の現存数は14部だと言われ、少なくとも4部がミスカトニック大学附属図書館に蔵されている。



The King in Yellow

2009-11-14 15:34:16 | 禁断の書物

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「人の精神には耐えられないほどおぞましい美を描き出し、読む者にして狂気と破滅へと駆り立てる禁断の戯曲」


・読んだ者を狂気へと追いやる「The King in Yellow(黄衣の王)」は、「Carcosa(カルコサ)」という名の古代都市を舞台にした戯曲の題名である。


・著者と成立年代は共に不明。原本は蛇の皮で装丁されており、表紙には「黄色の印」の模様が描かれている。


・カシルダやカミラといった人物が登場し、牡牛座のヒアデス星団やハリ湖のことが謳い込まれていることが知られている。


・具体的な内容は謎めいており、カシルダの「黄衣の王は私から取り上げてしまった。夢の行く方を定める力も、夢から逃れる力も」といった断片的な台詞の幾つかが記録されているのみである。


・戯曲において中心的な役割を果たすのは、題名の由来ともなっている謎の存在「黄衣の王」であり、登場する黄衣の王は常人の倍ほどの背丈で、蒼白の仮面を着けている。


・異様な彩りをした襤褸(ぼろ)を身にまとい、翼を備えているように見えることもあれば、後光が射していることもある。


・「The King in Yellow(黄衣の王)」を構成する二幕の内、第一幕は無害のものであるが、童子の口上から始まる第二幕の内容は、慄然と言う言葉でも生易しい狂気の満ちたものであり、内容を知ってしまった者は破滅に至る運命にある。


・かつて「The King in Yellow(黄衣の王)」を読んだヒルドレット・カステインは、自分が黄衣の王の従者としてアメリカの王になるという妄想に取り憑かれ、支離滅裂な手記を残し精神病院で死んでいる。


・「帝王たちに仕える王」と呼ばれ、皮肉たっぷりに聖書の語句を引用しながら人間に語りかけてくる黄衣の王の正体は、「The Unspeakable(名状しがたきもの) Hastur(ハスター)」の顕現に他ならない。


・1895年頃、黒く薄い八つ折判の装丁の「The King in Yellow(黄衣の王)」が英語版にて刊行されているが、翻訳者名などの詳細は一切不明である。



Liber Al vel Legis

2009-11-12 11:06:39 | 禁断の書物

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「魔術の実践と研究に生涯を費やしたオカルトの怪人、20世紀最後にして最大級の魔術師、アレイスター・クロウリーの聖書」


・1875年10月12日に、イギリスのウォリックシャーのレミントンにて生れたアレイスター・クロウリー(本名はエドワード・アレクサンダー・クロウリー)は、マスコミから「黒魔術師」、「世界最大の悪人」などの渾名で呼ばれた20世紀イギリス最大の魔術師の一人である。


・プリマス・ブリストン派というキリスト教の宗派を奉ずる裕福な家庭に育ったクロウリーは、厳格な教義に反発して神秘学に興味を持った。


・ケンブリッチ大学トリニティ・カレッジに進学したものの、学内で様々な問題を引き起こし、卒業を目前にして中退。


・19世紀末に結成された魔術結社「黄金の夜明け団」に入団し、稀代の魔術師としての人生を歩み始める。


・「Liber Al vel Legis(法の書)」は、クロウリーがエジプトのカイロに滞在していた1904年に、エイワス、もしくはスト=トートと名乗る地球外知的生命から授かった、「汝の意思するところを行なえ。これこそ法の総てとならん」、「全ての男女は星である」等の220の宣託を書きとめて、一冊の書物に纏めたもので、厳密な意味ではクロウリーの著書ではなく、彼が受け取った声を人間の言葉に翻訳し、編纂した霊界通信文書というべき書物である。


・クロウリーの弟子であり、後の魔術結社「O∴T∴O(東方聖堂騎士団)」のグランド・マスターとなったケネス・グラントは、「Abdul Alharzed(アブドゥル・アルハザード)」の「NECRONOMICON(死霊秘法)」と、「Liber Al vel Legis(法の書)」をはじめとするクロウリーの著書の中で言及されている神々の蛮名や秘儀の数々が同一のものであると指摘している。


・邪神復活を目的とするアメリカの「S∴T∴(銀の黄昏錬金術会)」と、クロウリーの結成した魔術結社「銀の星」との接触を伝える手紙の存在が確認されており、この一致は偶然な物ではないといわれている。