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「星を数えて」

2010-12-31 16:31:50 | デイビィッド・アーモンド

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『星を数えて』、デイヴィッド アーモンド著、金原 瑞人訳、河出書房新社



<あらすじ>
  父のジェームズ、母のキャサリン。兄のコリン、妹たちのキャサリン、バーバラ、メアリー、マーガレット。そして僕のデイヴィッドの8人家族。そんな一家に様々ことが起こる。


 神父さまのいいつけに背いて、100以上の星を数えてしまったデイヴィッド。その後すぐに父さんが病気になってしまい―― 。


 亡くなった父さんと過ごした日々、母さんの素敵な微笑み、幼いまま死んでしまったバーバラの写真、過ぎ去った時間や変わってしまった場所、かなたに消えた人々。
 子供時代の夢と記憶、現実と想像、真実と虚偽が入り交じった、哀しくも優しい19の物語。



<感想>
 作者アーモンドの少年の頃の思い出を元に描かれてた19の短編集であり、1960年代のイギリスの小さな炭鉱の町フェルングが舞台になっている。


 アーモンドの作品は、ファンタスティックなものが多いが、今作は一連の作品の中で、『火を喰う者たち』と並び、もっともリアルスティックな作品に仕上がっている。


 アーモンドの初めての短編集でありますが、彼の作品の特徴は、前にも述べたとおり、短い章を重ねたものなのでなんら違和感はなく、強いてあげるならば、時系列がバラバラなくらいですが、気になるほどのものではありません。


 前作の『火を喰う者たち』は、ボストングローブ・ホーンブック賞、スマーティーズ賞、ウィットブレッド賞というトリプル受賞をした作品ですが、それに負けず劣らずに仕上がっていて、もっとも彼らしい作品といえるのではないでしょうか。