『星を数えて』、デイヴィッド アーモンド著、金原 瑞人訳、河出書房新社
<あらすじ>
父のジェームズ、母のキャサリン。兄のコリン、妹たちのキャサリン、バーバラ、メアリー、マーガレット。そして僕のデイヴィッドの8人家族。そんな一家に様々ことが起こる。
父のジェームズ、母のキャサリン。兄のコリン、妹たちのキャサリン、バーバラ、メアリー、マーガレット。そして僕のデイヴィッドの8人家族。そんな一家に様々ことが起こる。
神父さまのいいつけに背いて、100以上の星を数えてしまったデイヴィッド。その後すぐに父さんが病気になってしまい―― 。
亡くなった父さんと過ごした日々、母さんの素敵な微笑み、幼いまま死んでしまったバーバラの写真、過ぎ去った時間や変わってしまった場所、かなたに消えた人々。
子供時代の夢と記憶、現実と想像、真実と虚偽が入り交じった、哀しくも優しい19の物語。
子供時代の夢と記憶、現実と想像、真実と虚偽が入り交じった、哀しくも優しい19の物語。
<感想>
作者アーモンドの少年の頃の思い出を元に描かれてた19の短編集であり、1960年代のイギリスの小さな炭鉱の町フェルングが舞台になっている。
作者アーモンドの少年の頃の思い出を元に描かれてた19の短編集であり、1960年代のイギリスの小さな炭鉱の町フェルングが舞台になっている。
アーモンドの作品は、ファンタスティックなものが多いが、今作は一連の作品の中で、『火を喰う者たち』と並び、もっともリアルスティックな作品に仕上がっている。
アーモンドの初めての短編集でありますが、彼の作品の特徴は、前にも述べたとおり、短い章を重ねたものなのでなんら違和感はなく、強いてあげるならば、時系列がバラバラなくらいですが、気になるほどのものではありません。
前作の『火を喰う者たち』は、ボストングローブ・ホーンブック賞、スマーティーズ賞、ウィットブレッド賞というトリプル受賞をした作品ですが、それに負けず劣らずに仕上がっていて、もっとも彼らしい作品といえるのではないでしょうか。